古川雄輝が語る、『僕だけがいない街』撮影の裏側 「涙を流すシーンはカットされる予定でした」

『僕だけがいない街』古川雄輝インタビュー

「台本に忠実かつできるだけシンプルに役作りをしています」

ーー古川さんも幼少期ヒーローに憧れを抱いていましたか?

古川:そうですね。僕は海外に住んでいたので、『パワーレンジャー』に夢中になっていました。そもそも、あっちだとヒーローものは『パワーレンジャー』だったので(笑)。僕もヒーローに対して悟と同じような憧れ方をしていました。変身ポーズとったりしてたな~。

ーー悟に共感できる部分もあるとのことですが、役作りする上で役柄の背景を考えたり、心情に寄り添ったりしていますか?

古川:僕は考えすぎると、ちょっとひねった感じの伝わりにくいお芝居になってしまうので、あまり深読みしないで、シンプルに演じることを心がけています。そこまで設定を作り込んでしまうと、現場で迷う瞬間が出てきたり、無駄な動作やセリフ回しが生じてしまったりするんですよ。以前はよく、役柄がどういう人物で、この物語は何を伝えたいのかなど、裏の裏まで考えていました。でも、いざ撮影に入ると無駄なことばかり頭をよぎって、結局空回ってしまったことが何度もあります。なので、今は台本に忠実かつできるだけシンプルに役作りをしています。僕の場合そっちの方が、観ている方たちに伝わりやすいお芝居ができるのかなと。

 でも、舞台になっている北海道には見学に行きました。北海道は悟が子供の頃に生活していた場所なので、僕の出演シーン自体はないのですが、悟がどういう環境で育ったのかを実際に見ておきたかったんです。そうしたら、クリスマスツリーや秘密基地、加代が住んでる団地など、漫画そのままの世界が広がっていたので、すごく感動しました。行って本当に良かったです。悟が生まれ育った場所に触れることができ、とても参考になりました。

ーー古川さんが最も印象に残っているシーンは?

古川:最初のバイクのシーンですね。リバイバルをする非現実的なシーンは、撮影自体が初めての体験ばかりで、とても楽しかったです。岡山県協力のもと、岡山駅のすぐ近くを4日間封鎖するという大掛かりな撮影だったので、そういった意味でも印象に残っています。あともう一つ大変だったという意味で印象に残っているのは、最終話の池の中に入るシーンですね。ドラマ内では夏の設定だったのですが、実際は4月に富士山の麓の池に入って撮影しているので、とにかく寒かったです。

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ーーほかにも大人になった加代に再会し、涙を流すシーンは印象的でした。

古川:本当は、涙を流すシーンはカットされる予定でした。リハーサルした時に泣く直前に監督から「カット」がかかり、驚いていたら、どうやら手違いで僕にだけ変更が伝えられていなかったことがわかりました。そこで監督に「これ泣かないんですか?」って食い下がったら「じゃあ泣こうか」っておっしゃってくださったんです。だから、もしかしたら本編ではカットされるかなと思っていたのですが、残していただいて嬉しかったです(笑)。

 でもリアルに考えると、僕だったら複雑な想いを抱きます。悟は加代のことを好きだったと思うんです。つまり、好きという記憶で止まったままなんですよ。自分が15年間眠っている間に、その女の子が友達と結婚していて、さらに子供を抱えて会いに来たら、正直何とも言えない気持ちになります。でもあの時、悟は色々な記憶が混ざり混沌としていた状態だったので、加代が死んじゃったんじゃないかと不安になっていたはずです。だから、加代が目の前に現れた時、純粋に安心したのかなと。ちゃんと生きてて、成長もして子供もいるという彼女の姿に嬉しくなって、思わず涙を流したんだと思います。

(取材・文・写真=戸塚安友奈)

■配信情報
Netflixオリジナルドラマ『僕だけがいない街』(英題:Erased)
Netflixにて全世界配信中
出演:古川雄輝、優希美青、白洲迅、内川蓮生、柿原りんか、矢野聖人、江口のりこ、眞島秀和、戸次重幸、黒谷友香他 
原作:『僕だけがいない街』三部けい(KADOKAWA/角川コミックス・エース)
監督:下山天
脚本:大久保ともみ
製作:ドラマ『僕だけがいない街』製作委員会

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<応募締切>
1月14日(日)

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