『民衆の敵』が訴えた世間へのメッセージ 高橋一生「あなたは?」の問いで考えること

『民衆の敵』が訴えた世間へのメッセージ

 佐藤は、市民のための市民の議会を開いた。直接民主主義。少しづつ人が増えていく議会の場で、佐藤は「私たち、一人ひとりの無関心こそが民衆の敵」と唱える。

 本作は、“月9”という枠で「政治」という難しいテーマを選んだだけに留まらず、LGBTや新しい家族の形にも言及したチャレンジングなドラマだった。そして、このドラマは第1話から画面の向こうにいる私たちに向けてメッセージを送っていた。藤堂の「あなたは?」という問いも私たちに向けられたもののように思える。

 「本当にこの世の中を変えられるのはあなたです」

 佐藤が国会議事堂の前で私たちに向けた最後のメッセージ。無関心で終わることなく、一人ひとりが考え、動き出すことが、答えのない問いかけの答えの一つである。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』
出演:篠原涼子、高橋一生、古田新太、前田敦子、千葉雄大、斎藤司(トレンディエンジェル)、若旦那、細田善彦、今田美桜 、余貴美子、大澄賢也、田中圭、石田ゆり子
脚本:黒沢久子
音楽:井筒昭雄
主題歌:AAA「LIFE」(avex trax)
プロデュース:草ヶ谷大輔
演出:金井紘、石井祐介、相沢秀幸
制作著作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/minshuunoteki/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる