『デッドプール』に“破門”危機? 米ディズニー買収によるFOX作品への影響

 今後、MCUに新たな仲間が加わるかもしれないが、“破門”が懸念されるキャラクターもいる。下ネタやブラックジョーク満載のデッドプールだ。今までディズニーが手掛けてきたマーベル実写は、『アベンジャーズ』や『ドクター・ストレンジ』など家族でも安心して見られる内容だったのに対して、最近の米20世紀FOXは『デッドプール』や『LOGAN/ローガン』など過激な発言や暴力描写を含むR指定作品を目玉にしてきた。米ディズニーの会長権CEOのロバート・A・アイガーは、2016年の株主総会で「わたしたちが、R指定のマーベル映画を作る予定はない」と明言しているため、規格外の破天荒ヒーローとして愛されてきた『デッドプール』シリーズの存続が危ぶまれる。デッドプール役のライアン・レイノルズは自身のTwitterで、「デッドプールとミッキーマウスの間にある、爆発寸前の性的緊張を解き放つ時が来たな」と双方の関係を揶揄(やゆ)した。

 マーベル実写以外にも、R指定のある『キングスマン』シリーズやリドリー・スコットの『エイリアン』シリーズのほか、年齢制限はないが性的描写とグロテスク表現があるテレビドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』シリーズなどFOXの人気作品の中には、ディズニーの作風にそぐわないものが多数存在する。社会風刺とブラックジョークを盛り込んだ長寿アニメ番組『シンプソンズ』が、ディズニーキャラクター入りを果たすのかも気になるところだ。多くの人々を虜にして来たFOX作品を守るためにも、ディズニーは長年のタブーを打ち破る必要があるかもしれない。

(文=阿部桜子)

■公開情報
『デッドプール2(仮題)』
2018年6月全国ロードショー
監督:デヴィッド・リーチ
出演:ライアン・レイノルズ
配給:20世紀フォックス映画
(c)2017Twentieth Century Fox Film Corporation

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