“夢”と“現実”はどこで折り合いをつける? 『先に生まれただけの僕』櫻井翔が示した、教師の立場

『先に生まれただけの僕』が問う学校の在り方

 生徒とのメインエピソードの狭間で、サイドエピソードの描きこみもバランスが良い。鳴海と松原(多部未華子)の関係の危うさに、立ちはだかる後藤田(平山浩行)の存在。他の教師たちのコミカルなやり取りに、加賀谷(高嶋政伸)は家庭の悩みを綾野(井川遥)に相談するなど、程よく終盤への伏線として繋げていく。

 しかも、面談に向かう鳴海たちが廊下を歩く場面で仰々しいスローモーションにする演出や、次回へと続く形のエピローグなど、これまでになかったような演出が目立った。というのも、今回は『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)や『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)で登板してきた鈴木勇馬の演出回。スピード感があって、きちんとまとめられている彼の演出には、ドラマ作りの卓越したセンスを感じる。

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■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『先に生まれただけの僕』
毎週土曜日よる10時~
出演:櫻井翔、蒼井優、瀬戸康史、木南晴夏、森川葵、平山浩行、池田鉄洋、木下ほうか、多部未華子、井川遥、荒川良々、秋山菜津子、高嶋政伸、風間杜夫
脚本:福田靖
音楽:平野義久
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:次屋尚、高橋史典(ケイファクトリー)
演出:水田伸生 ほか
制作協力:ケイファクトリー
制作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/sakiboku/

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