篠原涼子が打つべき“民衆の敵”は果たして誰? 市長選に向けたそれぞれの思惑

『民衆の敵』で描かれた“黒い政治”

 新人議員が集まるカラオケルームにて、佐藤智子(篠原涼子)が「恋しさと せつなさと 心強さと」を歌い出しそうで歌わないという、焦れったいシーンからスタートした『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系)第5話。折り返しとなる今週で、第一章は完結。内部告発から発端した市長の汚職疑惑から、対抗していた犬崎派と市長派がついに激突。河原田市長(余貴美子)の辞職により、市長選へと動き出す中、犬崎(古田新太)は佐藤に「市長になってくれないか」との話を持ち込む。黒い政治と一人の死を背景に、物語は一気に急展開を迎えた。

 始まりは、佐藤宛の「手紙読んでもらえましたか」という電話から始まる。手紙は「汚職まみれの人がいます。市民の税金で私腹を肥やす政治家を許さないで下さい」という内容だった。記者の和美(石田ゆり子)から、下手に突っつくと自分に火の粉が降りかかってくると忠告を受けるものの、佐藤は活動報告の一環としてSNSに汚職の件を書き込んでしまう。手紙は内部告発で、佐藤をターゲットにしたのも彼女のその荒っぽい性格を知ってのこと。続いて佐藤のもとには、建設事業者選定のための見積もり資料が送られてくる。それは河原田が、自分の後援会会長に公共事業を請け負わせるために便宜を図ったこと、つまり市長の汚職を示していた。なんと佐藤はこのこともSNSへ書き込み、マスコミを巻き込んだ大騒動へと繋がっていく。

 市長の不正疑惑に対して、ここで一気に犬崎が動く。市長は河原田であるが、議会の最大会派は犬崎派。河原田を市長から引きずり落とし、形勢逆転するチャンスはここだった。「ここは派手に行こうぜ」と犬崎は、市長汚職の証拠を発見したとしてマスコミに声明を出し、百条委員会を開くのだった。この裏では、市長秘書の望月(細田善彦)が動いていた。望月は、市長の汚職金の受取人だった。それを告発したのが、今回の件の担当の福祉課の小野。何でも話せる深い仲にあった2人は、政治資金と称して金を騙し取っていた。小野は高飛びしようとし、思い悩んだ望月は飛び降り自殺を図る。そこで百条委員会は中止。真相は闇に包まれたまま、河原田は選挙で市民に問いたいと言って、市長選へと動き出すのだった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる