上田竜也と中村倫也の微笑ましいバディっぷり 深夜ドラマ『新宿セブン』でワチャワチャ

“真面目”な上田竜也と“自由”な中村倫也

 KAT-TUNの上田竜也が主演を務めるドラマ24『新宿セブン』(テレビ東京系)を、毎回楽しみにしている。本作が初主演とは思えない堂々とした上田の男気溢れる演技、気弱な青年に扮した中村倫也との微笑ましいバディっぷり、個性あふれるキャラが揃ったハードボイルドな世界観、そして1回30分というテンポの良さ……スカッとしたい金曜の深夜にピッタリなのだ。

 舞台は、欲望渦巻く街、新宿・歌舞伎町。上田が演じているのは天才鑑定士の七瀬。瞬時にモノだけではなく、人の真贋まで見極める七瀬は、歌舞伎町でも一目置かれる存在だ。そんな七瀬のもとには、多くの鑑定依頼が寄せられる。果たして次にくるのは、どんな訳アリ客か……。

 上田がこの役にハマっているのは、普段からジャニーズWebのブログでもファンを「てめぇら」と呼ぶぶっきらぼうなところにある。『新宿セブン』がスタートするときも、「黙って見ろ!」「盛りあげろ!」という口調だ。だが、そんな悪ぶっていても実は内面はハートフルで優しいと、ファンはわかっている。現在、充電期間中のKAT-TUN。そのラストステージでも、「有言実行。絶対でっかくなって戻ってくるから」とファンが欲しい言葉を投げかけた。本作の公式Twitterによると、現場にデニッシュを差し入れするというかわいらしい一面も。

 一見ツンケンしているにもかかわらず、誰よりも人を想う気持ちが強いというギャップは、そのまま七瀬と重なる。『炎の体育会TV』(TBS系)でも、たびたびフィーチャーされる上田の熱血ぶり。ジャニーズJr.たちと共に過酷なトレーニングや滝行などをこなし、叱咤激励を繰り広げる姿は、七瀬が依頼主たちに体当たりで人の道を説く姿そのものだ。ときには、アウトロー相手に拳でぶつかることも。ボクシングを特技とする上田だけに様になっているのも惚れ惚れする。ケンカ越しの相手を目で威圧するシーンも、実際に殴り合いをしたことがあるからこそ放つ、力強い眼力が印象的だ。

中村倫也(大野健太)

 そんな型破りな質屋店主の七瀬が粗野な印象だけで終わらないのは、中村倫也が演じる大野健太の存在が大きい。強烈な個性を持つ歌舞伎町の住人たちに翻弄される一般人としてストーリーテラー的な役目を果たす。一見、わかりにくい七瀬の思いや繊細な心境を視聴者に伝える重要なポジションだ。健太と七瀬の関係性も回を重ねるごとに距離を縮めていく。その過程でコメディ要素が強く出てくるのも、本作の大きな見どころといえる。

 中村は、『勇者ヨシヒコ』シリーズで知られる福田雄一が脚本・演出を手がけたコメディドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』などにも出演し、ムロツヨシ、佐藤二朗らと、シュールな笑いを生み出す“福田組“ワールドを創り上げた経験を持つ。現場では、果敢にアドリブを入れ込んでいるようで「たぶん、上田くんはもうちょっとこっちに乗っかりたいんだろうけど、七瀬のキャラクターがあるので、そこは監督があまり乗っからないように制している。だから寂しそうにしていますよ(笑)」と、インタビュー(参照:一生懸命生きて、恥をかく。中村倫也、愛すべき“バカ“のカタチ。ライブドアニュース)で答えている。“暴れる七瀬と常識人な健太“という図は、もしかしたら収録の場で“真面目な上田と自由な中村“というように、印象が入れ替わっているのかもしれない。

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