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『ブレードランナー 2049』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が語る、リドリー・スコットの存在と音楽担当変更の背景

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 SF映画の金字塔『ブレードランナー』の35年ぶりの続編『ブレードランナー 2049』がいよいよ10月27日に公開される。前作でメガホンを取ったリドリー・スコットに代わり、『ボーダーライン』『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴが監督を務めた本作では、前作で描かれた2019年から30年後、人間と見分けのつかない人造人間“レプリカント”と人間が共存関係にある2049年のカリフォルニアを舞台に、人類への反乱を目論み、社会に紛れ込んでいる違法な旧レプリカントの“処分”任務にあたるロサンゼルス市警のブレードランナー“K”が、レプリカント開発に力を注ぐ科学者ウォレスの“巨大な陰謀”を暴く鍵となる、かつてのブレードランナー“デッカード”を追う模様が描かれる。

 リアルサウンド映画部では、本作のプロモーションのために来日したヴィルヌーヴ監督にインタビューを行い、今回は製作総指揮を務めたリドリー・スコットとのやり取りや、ヨハン・ヨハンソンの降板が大きな話題を読んだ本作の音楽などについて訊いてみた。

 「撮影中もずっとリドリー・スコットのことを考えていた」

ーーあなたが本作の監督を引き受けるにあたっての条件は「リドリー・スコットに認められること」だったそうですね。リドリー・スコットからは「必要なときはいつでも連絡してくれ」と言われたそうですが、具体的にどういうことを話し合ったのでしょうか。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ(以下、ヴィルヌーヴ):一番はキャスティングだね。映画製作のプロセスにおいてもっとも重要なのがキャスティング。何しろ映画に息を吹き込む人たちを選ぶわけだからね。僕は以前からリドリー・スコットのキャスティングの素晴らしさに毎回驚かされていたから、キャスティングについて、自分自身が迷ったときや何か疑問に思ったときはリドリーに相談していたよ。彼はちょうど別の作品を撮っていたから僕とはちょっと距離があったんだけど、それはある意味最高だったね(笑)。

ーーそれはなぜでしょう?

ヴィルヌーヴ:僕自身の“色”を作品に反映させなければいけなかったからね。でも彼が作ったオリジナルをベースに映画を撮っていたわけだから、彼の存在は常に身近に感じていた。撮影中もずっとリドリーのことを考えていたんだ。そういう意味で、実際に彼が現場にいなかったのは助かったけど、とにかく僕もライアン(・ゴズリング)も監督としてのリドリーのことをとても尊敬しているので、会話にはよく彼の話題が出てきていたんだ。自分のカメラで他の人の夢の中を訪れるような感覚だったね。

ーー今回のように、続編、しかも他の人が作り上げた作品を引き継ぐことは、あなたのキャリアにおいても初めてのことです。これまでの映画作りとはまったく異なる経験になったのでは?

ヴィルヌーヴ:そのとおり、これまでに経験したことのない、まったく新しい経験だった。もっとも参考になる作品が“他の映画”だったからね。僕がこれまで手がけてきた作品は、原作があるものやグラフィックノベル、絵画、写真、詩などからアイデアを得たものがほとんどだった。今回はリドリーが作った『ブレードランナー』をベースにしつつも、とにかく自分が考える、自由な作品にすることが重要だった。“盗作”のような作品にはしたくなかったんだ。リドリーのことは尊敬しているが、僕と彼との感性はまるで違う。一方で、あまりにも遠ざけてはいけないという難しさもあったんだ。

ーー前作のスタイルをしっかりと引き継ぎながらも、はっきりとヴィルヌーヴ作品になっていたことに驚かされました。

ヴィルヌーヴ:ありがとう。僕が今回やろうとしたアイデアは、『ブレードランナー』で描かれた美しいメランコリアをキープすることだった。本当に美しい切なさを感じたんだ。僕自身、若い頃にものすごく影響を受けた作品のひとつだよ。

ーー前作よりもテーマ性が強い印象を受けました。現代社会、とりわけアメリカが抱える問題も作品に強く反映されているように感じました。

ヴィルヌーヴ:まさにその通りだよ。例えば警察ひとつとっても、建物は古くなり、資源も少なくなり、力を失っている。完全に社会が崩壊してしまっていて、地球自体が死にかけている。ロサンゼルスでも地球温暖化による海面上昇が起きていて、居住場所がなくなり難民が増えている。このような、社会通念がどんどん弱まってきている、僕たちが生きている現実は作品にも反映させているよ。

      

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