佐藤健は真の“アクション映画”を生みだすーー『亜人』卓越した運動神経とストイックな役者魂

佐藤健は真の“アクション映画”を生みだす

 今回の『亜人』では、強力な敵となる綾野剛(彼もまたライダー出身のアクション向き俳優の一人だ)の襲撃から逃れようと、序盤から狭い研究施設の中を走りぬけたり、ビルの屋上からジャンプ。そして終盤の決闘場面では、毒ガスの詰められた容器を死守するために全身を使ってより激しいアクションを見せつける。

 とりわけ、敵に向かっていくときに彼が見せる視線の強さは、演じているキャラクターとしてではなく、彼自身の肝の座り方が露わになっていると思わせる。彼のようなアクションスターが誕生したからには、日本のアクション映画は世界レベルへと進化していくはずだ。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■公開情報
『亜人』
全国公開中
監督:本広克行
出演:佐藤健、玉山鉄二、城田優、千葉雄大、川栄李奈、山田裕貴、浜辺美波、品川祐、吉行和子、綾野剛
原作:桜井画門『亜人』(講談社「good!アフタヌーン」連載)
配給:東宝
(c)2017映画「亜人」製作委員会 (c)桜井画門/講談社
公式サイト:ajin-movie.com

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