遠藤憲一、クスリとさせる独特の面白さ 『わろてんか』“ギョロ目の鬼さん”の魅力

遠藤憲一が届けるシュールな“笑い”

 テーマは「笑い」。朝ドラ『わろてんか』(NHK総合)が、10月2日より元気にスタートした。明治35年、大阪が商都として栄えていた時代。老舗薬種問屋「藤岡屋」の長女として生まれた藤岡てん(新井美羽)が、京都を舞台に日本中を幸せの笑顔に包んでいく物語だ。

 第1週「わろたらアカン」では、個性豊かな人物が続々と登場した。てんと運命的な出会いを果たす旅芸人一座の藤吉(松坂桃李)、てんの幼馴染のコミカルな役回りの風太(鈴木福)、てんに優しい言葉を投げかけてくれる兄の新一(千葉雄大)。中でも、今週の山場とも言える10月6日の放送で、視聴者の涙を誘ったのがてんの父、儀兵衛(遠藤憲一)だ。

 “ギョロ目の鬼さん”の異名を持つ儀兵衛は、ほとんど笑うことのない頑固一徹。笑い上戸なてんに、大事な商談を台無しにされたことに怒り、彼女へ笑い禁止令を出すことから物語は回り始める。ある日、藤岡屋では台所に置いてある客用の酒が、夜な夜な減っていくという“化け猫”事件が起きる。てんと風太は夜中に台所を張り込むと、そこには儀兵衛が現れる。儀兵衛は普段、人前では酒を飲まない。てんは自分の失敗のせいで、父が酒を飲むようになってしまったと誤解してしまう。全てを見透かしていたしず(鈴木保奈美)は、儀兵衛が店の将来のためにドイツの薬品会社と取引をしたいと考えていること、しかし思うようにはいかず彼が飲めない酒を飲むようになってしまったことをてんに教える。儀兵衛は、ハツ(竹下景子)に仕事ぶりを見込まれ、入り婿になった。藤岡屋の当主として、その看板の重さに耐える儀兵衛を誰よりも理解しているしずの聡明さが感じられる。

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