“オリジナル・ウィリス”完全復活! コメディ俳優ブルース・ウィリスの真骨頂『バッド・ウェイヴ』

B・ウィリスの真骨頂『バッド・ウェイヴ』

 そんなブルースの前に立ち塞がるのはアクアマンことジェイソン・モモア。こちらもブルースに合わせて、気は優しいが力持ち(そして人殺し)なギャングのボスを楽しそうに演じている。二人のピザを巡るやり取りの微妙な空気は、ある意味で本作最大の見せ場だろう。

 良い意味でスケールが小さく、端的に言ってしまうと……緩い。観ている間の感覚は、映画というより深夜ドラマを観ているのに近いだろう。しかし、だからこそブルースの原点を感じさせる。数々のアクション映画や、『シックス・センス』(99年)などのシリアスなドラマに埋もれがちだった、コメディ俳優ブルース・ウィリスの真骨頂を味わえるはずだ。観ている最中「そうそう、ブルースは元々こういうダメな中年男性が上手かったんだよ……!」そう膝を叩くことだろう。

『バッド・ウェイヴ』予告編

■加藤よしき
ライター。1986年生まれ。暴力的な映画が主な守備範囲です。 『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』に記事を数本書いています。

■公開情報
『バッド・ウェイヴ』
10月7日(土)より新宿バルト9、丸の内TOEIほか全国ロードショー
出演:ブルース・ウィリス、ジョン・グッドマン、ジェイソン・モモア、ファムケ・ヤンセン、ステファニー・シグマン、エミリー・ロビンソン、エリザベス・ローム
監督:マーク・カレン
脚本:マーク・カレン、ロブ・カレン
音楽:ジェフ・カルドーニ
原題:Once Upon a Time in Venice/レイティング:R15+
配給:クロックワークス
協力:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
(c)2016 VENICE PL, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:http://bad-wave-movie.com/

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