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満島真之介、“満島ひかりの弟”から演技派バイプレイヤーへ 兄弟・姉妹俳優の躍進

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 現在公開中の映画『三度目の殺人』で、主演の福山雅治、日本を代表する俳優・役所広司にも負けじと劣らない演技力を放っているのが、若手弁護士・川島演じる満島真之介だ。満島の素朴な発言のひとつひとつは、この法廷劇を傍観することしか出来ない観客にとって、作品テーマに触れる手引きともなるだろう。同日に封切られた『散歩する侵略者』における満島の存在も興味深く、「侵略者」に、ある概念を奪われてしまい変化するキャラクターを、実に自然なかたちで体現している。“演技派女優”のトップランカーである姉・満島ひかりの姿を追って登場した満島真之介。そんな彼の柔軟な表現力から目が離せない。

 両作品とも満島に与えられたポジションの責任は、ある意味で重いものだといえるだろう。前者『三度目の殺人』で彼が口にする、「犯人への理解」や「どっちが本当なのか」、あるいは先述した「生まれてこなければよかった人間なんていない」といった言葉は、真実よりも勝ちばかりにこだわる弁護士・重盛(福山雅治)の考えとのズレを生む。そのズレから浮かび上がってくるのは、作品テーマの一端でもあるだろうし、気づけばそれらを掘り下げていく役割も担っているのだ。また、まだ若手であるがゆえ、法廷での場数を踏んでいないであろう彼の積極的な学習態度は、法律について明るくない筆者などにとって、作品世界への導き手ともいえるかもしれない。

 後者『散歩する侵略者』での満島は、侵略者に「所有」に関する概念を奪われる。この「所有」とは彼にとって、自身を縛り付けていたものでもある。大切な概念を失い、生活困難へと陥る人々も多く見られる中、彼の場合には「解放」として作用するのだ。自宅に引きこもりがちだった彼は、街頭で演説までしてしまうようになる。街角でばったり再会した侵略者に対して、「俺はどうなっちゃったの」などとあまりにも素朴な疑問をぶつける彼は、またしても作品テーマの一端を掘り下げる役割を、気づかぬうちに担っているようだ。両作品とも、個性を前面に押し出したような取り組みでなく、そのポジションや、映画の骨組みの一部を全うする誠実な姿勢は、そのまま役にも反映されているように思う。これらの健闘ぶりに、満島を若き名バイプレイヤーとして見る向きも多いだろう。正直、彼の登場による安心感はでかいのだ。

      

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