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Sexy Zone 菊池風磨の冴えない姿にホッとする? 『吾輩の部屋である』のデトックス効果

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 月曜深夜に放送されているSexy Zone・菊池風磨主演ドラマ『吾輩の部屋である』(日本テレビ)がおもしろい。登場人物は菊池ただひとり。そして舞台は、菊池演じる冴えない大学院生・鍵山哲郎がひとり暮らしを謳歌する1K(6畳+K)。とくに大きな事件が起こるわけでもなく、むしろ他人からすればどうでもいい事柄について、鍵山が真剣に悩み、その解決策について様々な思考を巡らせる物語だ。

 まず驚くのは、鍵山のビジュアル。もしSexy Zoneとしての菊池を知らない視聴者がこの作品を目にしたら、彼をアイドルだと思う人はいないだろう。それほどまでにSexy Zoneとして魅せるキラキラオーラを封印し、町中にコンビニ袋を片手に出現しそうな学生に変貌。そんな“どこにでもいる学生っぽさ”で、我々の心にスッと入り込んできてくれる。

 第1話で鍵山は、恋心を抱く同じ研究室の植村を舞台に誘うが、返事がない。催促のメールを送ろうかと悩んでいるうちに、台所のシンクから吸盤がポトリと外れてしまう。そんな吸盤を見て導き出したのは「押しが足りない」というキーワード。だが、ゆがんだ吸盤は強く押しただけでは付いてくれず、 “プラスチックは熱すると元の形に戻る”という原理を利用して吸盤を修理。そこから恋愛も「強く押すだけではダメ」という結論に達し、メールは送らず返信を待とうと決意する。だが一度は付いた吸盤も、最終的には再び落下してしまう。ダメなものは何をしてもダメという暗示にも思えるが、鍵山はそんなことはまったく気にしない強いハートの持ち主なのだ。

 しかも鍵山には、メール云々の前にレポート作成というやるべき明確な事柄があった。だが彼は、レポートのことなどそっちのけで「吸盤に関する考察」のほかにも「ホコリの発生原因」など、「やらなきゃいけないことがある時って、他のことが気になるよね~」といったあるあるを繰り返し、それらを解決して満足気に笑うのだった。

 第2話では、植村との映画デートを(勝手に)計画し、なんの映画を観ようかと検討していたところ、テレビでラーメン特集を見かける。ラーメンを食べたくなった鍵山は、家にあるインスタントラーメンで究極のラーメンを作ろうと試みる。ちくわを使って極上のラーメンを作り出した彼は、贅沢をせずに「自分の手に届く範囲で味を追求する方がおもしろい」というところから、映画も背伸びをせずに自分の観たいものでいいのではという結論を導き出す。

 そして選び出した映画は『ゴリラVS宇宙人』。観たいという気持ちもあるが、何より「もし断られても映画のせいにできるから」という卑怯すぎる考え方を露呈。だが、そんな結論に「サイコー!」と叫んで天井を見上げる鍵山の充実感みなぎる笑顔を観ると、言い訳しながら生きるのも悪くないという気さえしてくる。

      

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