『ひよっこ』三角関係に終止符 片思いが通じ合ったさおりと三男の恋

 「時々、自信ないみたいに言いますけど、さおりさんは可愛いですよ」「恋人になりませんか? 俺でよかったら」。善三と不仲にあるさおりは、本名の米子という名を捨て、店を将来パン屋にしたいと考えている。そんな強気で素直になれないさおりは、三男にとって“構ってあげたい存在”だ。乙女で可愛らしい一面を愛らしく思っていた。「将来、一緒になるとして、家族が仲悪いのは絶対嫌です。それは嫌です。それを約束してくれなかったら、この話はノーです。約束してくれますか?」。農家の三男坊に生まれ、「さっさと手伝え」と愛情の裏返しの辛辣な言葉を受けていた三男は、家族の不和を嫌った。誰もが幸せになること。時子を含め、全員が報われる道を三男は選んだのだ。

 ところで、三男の家族、角谷家について筆者がずっと気になっていることがある。公式に三男は「農家の三男坊」という設定だが、物語にはすずふり亭の高子(佐藤仁美)と結ばれた太郎(尾上寛之)、そして三男しか登場していない。次男にあたる兄弟がもう一人いるはずなのだ。奥茨城を走るバスがワンマンカーとなり、運転手は小太郎(城戸光晴)1人となった。村長選挙の告示ポスターには、笑顔の次郎(松尾諭)の姿が……。細かく見ていくと気になる点がまだまだ残る『ひよっこ』。残る3回で物語はどこまで描かれるのだろうか。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■番組情報
NHK連続テレビ小説『ひよっこ』
出演:有村架純、沢村一樹、木村佳乃、羽田美智子、佐久間由衣、泉澤祐希、峯田和伸、津田寛治、宮原和、高橋來、佐々木蔵之介、古谷一行、宮本信子、磯村勇斗ほか
作:岡田惠和
音楽:宮川彬良
平成29年4月3日(月)~平成29年9月30日(土)全156回(予定)
<総合>
(月~土)午前8時~8時15分/午後0時45分~1時[再]
<BSプレミアム>
(月~土)午前7時30分~7時45分/午後11時~11時15分[再]
(土)  午前9時30分~11時[1週間分]
<ダイジェスト放送>
「ひよっこ一週間」(20分)
<総合>
(日)午前11時~11時20分
「5分で『ひよっこ』」
<総合>
(土)午後2時50分~2時55分     
(日)午前5時45分~5時50分/午後5時55分~6時
公式サイト:http://www.nhk.or.jp/hiyokko/

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