『白い闇の女』エロティック・サスペンスとしての吸引力ーー確約されていないがゆえの期待

加藤よしきの『白い闇の女』評

 物語はそんなブロディと共に、定石通りに進む。男の下半身が暴走、陰謀が発動。謎が明らかになるにつれ、登場人物の哀しい部分が透けて見えてくる。このジャンルの定番、性的なコンプレックスを抱えた権力者の老人も登場。そしてもちろん、エロティックなシーンも。レンとキャロラインはセックスをするし、他にもキャロラインは……いや、あまり詳しい言及はやめておく。本作にはエロティック・サスペンスの独特の「確約されていないがゆえの期待」が確かにある。観賞後、筆者は少年時代を思い出した。こっそり深夜番組を見たり、TV洋画で『ブロンドの標的』『ブロンド美女戦記』などの文字列を発見し、今か今かと待機したときの、あの気持ち――それだけで十分なように思う。

■加藤よしき
ライター。1986年生まれ。暴力的な映画が主な守備範囲です。
『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』に記事を数本書いています。

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■リリース情報
『白い闇の女』
Blu-ray&DVD発売中
Amazon配信中
監督/脚本:ブライアン・デキュベリス
出演:エイドリアン・ブロディ、イヴォンヌ・ストラホフスキー、キャンベル・スコット、ジェニファー・ビールス、スティーブン・バーコフ
製作:エイドリアン・ブロディ、ジャッキー・チェン
原作:コリン・ハリソン「マンハッタン夜想曲」(講談社文庫)
発売・販売元:松竹
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