長瀬智也が見つけた“自分が生まれてきた意味” 『ごめん、愛してる』韓国版と異なる結末に?

長瀬智也が見つけた“自分が生まれてきた意味”

 「あんたは、何のために生きてんだ」9月10日放送の『ごめん、愛してる』(TBS系)では、律(長瀬智也)がずっと問い続けてきた“自分が生まれてきた意味“に、ひとつの答えが導き出された。それは、大切な人たちの幸せを祈ること――。

 「死産だった」出産後、律が生きていたことすら知らない母・麗子(大竹しのぶ)。そんな麗子に、愛情たっぷりに育てられたサトル(坂口健太郎)。自分の不遇を呪い、サトルに嫉妬し、一度は麗子の「思い切り苦しむ顔を見たい」と復讐を誓ったこともあった。

 だが、サトルの命を繋ぐために、律は自分の死後にサトルの心臓移植のドナーになることを決意する。“一瞬でもいいから愛されたい“その一心で生きてきた律がたどり着いたのは、まず自分が親と弟を愛することだった。死に向き合うことによって生き様を見つめ、一生分の成長を遂げたかのような律の言動。

 「なぜそこまでするのか」と、問いただすサトルにも自分が実の兄であることを告白する。サトルが、納得して新しい心臓を受け入れられるように。自分ができなかった分まで、凜華を幸せにしてほしいという願いを込めて。

 だが、麗子に自分が息子であることを伝えない。それは自分が息子だと伝えることは、同時にまた我が子を失う経験をさせてしまうと考えてのこと。そして、律に想いを募らせる凜華(吉岡里帆)が彼の余命のことを聞きつけたときも、同じベッドで朝まで過ごしながらプラトニックな関係を貫いた。これも凜華の愛に応えるほど、自分の命の灯火が消えてしまった時に、心を乱してしまうのでは、と配慮してのこと。

 傷つけないように、苦しませないように……大事な人達の悲しみを全て自分が背負って消えること。それが、律の行き着いた“愛”の形。なんと孤高なのだろうか。

 フリージャーナリストの加賀美(六角精児)が、執拗に麗子の秘密を暴露記事で公表しようとしていたのは、彼の姉の夫が麗子の不倫相手だったことがわかった。麗子に精神的に追い詰められて命を落とした姉を思い、麗子を陥れようとする加賀美に、律は「恨みをはらすためか、そんなことのために生きてんのか、あんたは。せっかくヨボヨボになるまで生きられるのに……もったいねえよ……もったいねぇ」とつぶやく。

 私たちは、当たり前のように明日が来ると思ってしまう。だが、余命3ヶ月であっても、ヨボヨボまで生きるつもりであっても、人は必ず死ぬ。どんな偉人も、凡人も、善人も、悪人も。誰ひとり、死から逃れられた人などいない。

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