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有村架純にできた2つの故郷 『ひよっこ』思いが溢れた言葉を振り返る

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 『ひよっこ』(NHK総合)の物語は、みね子(有村架純)が表へ飛び出し、茂(古谷一行)に「おはよう。じいちゃんごめん、寝坊した。早く起きて田んぼ見るって約束したのに」という朝の挨拶から始まった。奥茨城に住む小さな農家、谷田部家には田んぼが当たり前にある。

 「奥茨城編」「乙女寮編」「あかね荘編」と進んできたストーリーは、ここ数週間で登場人物が様々に交錯し始めている。乙女寮の舎監だった愛子(和久井映見)があかね荘で暮らすことになり、すずふり亭のホール係であった高子(佐藤仁美)は三男(泉澤祐希)の兄、太郎(尾上寛之)の嫁に行った。中でも、行方不明だった実(沢村一樹)がみね子とあかね荘で過ごす画は、なかなかに想像できなかっただろう。そんな中だからこそ、第19週「ただいま。おかえり。」でみね子と実が奥茨城に帰ることの意味合いは大きい。

 「ただいま。おかえり。」は、“谷田部実”という人物の家族思いで優しい人柄、谷田部家にとっての実を表した週だ。実は出稼ぎ労働者として東京で暮らしている時も、変わらず家族を思っていた。ひったくりに遭い、記憶をなくすその時まで。記憶を失っていても、そこにいるのは谷田部実。変わらず父親っ子の進(髙橋來)、すっかりお姉さんに成長したちよ子(宮原和)、子供達の相手をするその姿は父親そのものだ。そして、「実っていい名前ですね。好きです」、笑顔で父の茂に告げるシーンは、息子として。古谷一行の涙を堪える名演が、観るものの心を打つ。「もう一回好きになってくれるかな」と再び妻としての決心を固めた美代子(木村佳乃)。実をエスコートし、奥茨城まで連れて帰ってきたみね子も、一人の娘。「こんな感じか?」と、よくやられていた両手でほっぺたを挟める仕草は、別れた島谷(竹内涼真)にもされていたのもあり、少しこっぱずかしそうな表情を見せる。

 また、「ただいま。おかえり。」は、稲刈りのため実が奥茨城に帰ってきた第1週「お父ちゃんが帰ってくる!」を踏襲したシーンが随所にインサートされている。一家団欒で食卓を囲み、夜には暖を取り大人だけの話を、田植えを終え家に帰る道すがらみね子が「谷田部家のみなさま、今年も田植えお疲れ様でございました」と礼をするシーンは、稲刈りの時のセリフと同じものだ。また、家族でこの時を過ごすことが出来た。みね子の思いが溢れた言葉だ。

      

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