姫乃たま × プー・ルイが語る、“暗黒女子”とアイドルの裏側 「BiSは不幸を糧に大きくなってきた」

姫乃たまとプー・ルイが語る、“暗黒女子”

 プー・ルイ「前のBiSの時は、余裕でメンバーを出し抜いてましたね」

プー・ルイ:そうなんだよね。でもプライドもあるから、やめてとも言えなくて。BiSでは、私が歴的に一番上なんですよ。なので、全員後輩じゃないですか。それなのに私の推し取らないでっていうのは、人間的にちっちゃすぎるかなって……。それに、私自身も手を出してしまうことはあるので……(笑)。あと、前のBiSの時は、余裕でメンバーを出し抜いてましたね。最近はしなくなりましたけど。私ソロから始めたので、自分しか連絡先を知らないスタッフさんが結構いたんですよ。なので、レコーディングの後とかに毎回ありがとうございましたっていうお礼メールを送っていました。絶対そのアドレスはほかの子には教えないですし、送っていること自体も誰にも言ってなかったです。

姫乃:にゃはは、ルイさんは逞しいなあ。私はフリーランスなので、仕事のメールとかも全部自分で受けているのですが、たまにすごく失礼な人いるんですよ。そういう時は絶対に怒らないようにして、逆に優しく対応しています。相手に気付かせないで放流することで、どこかで痛い目に遭えばいいなっていつも思ってますね……。調子に乗ってしまえーって。そういうところが自分自身の“暗黒女子”の一面だと思います。

ーー『暗黒女子』はイヤミスというジャンルですが、“人が不幸に陥る”このジャンルが多くの人から支持を得ている理由は何だと思いますか?

プー・ルイ:私の専門ですね。不幸を糧に大きくなってきたグループなので。リリースのニュースよりも、メンバー脱退や体調不良のニュースの方が何十倍も拡散されるんですよ。人間は他人の不幸に自分自身が巻き込まれることはとても嫌がるんですが、一歩外から見てる分にはすごく楽しめるんだと思います。

姫乃:にゃはは。 BiSってアイドル史の中でもすごく重要なポジションにいて、グループ自体が神格化されてるじゃないですか。あれはなんでなのかな? ってずっと思ってたんですけど、つい先日、BiSの熱狂的ファンだった方から、BiSのメンバーとファンがすごく喧嘩してた時期があったという話を聞いて納得しました。その人自身も喧嘩に加勢していたらしいんですが、もう理由も覚えてないと言ってました。でも、とにかく我を忘れるほどに怒っちゃった、と。

プー・ルイ:超初期ですね。まだ活動始まって半年とかの時に、ファンと喧嘩してました。ちなみに私はされた側なので、覚えてますけどね。絶対に許さない! と思って(笑)。

姫乃:にゃはは、覚えてらっしゃるんですね。BiSという概念があって、それに対してそれぞれの強い想いや思想を持ったBiSのメンバーとファンが争い合うから、どんどんBiSというグループ自体が神様のようになっていったんだと思いました。

プー・ルイ:やっぱり負のパワーの方が強いし、記憶にも残ります。“イヤミス”も同じなんだと思います。

姫乃:負のパワーの方が物語としてのインパクトが強いんですよね。幸せの形ってある程度パターンが決まってるじゃないですか。でも、不幸の形はたくさんある。そっちの方が話のバリエーションも豊富だし、共感も呼びやすいんじゃないかな。嬉しいことって忘れちゃいますよね。たとえ10嬉しいことがあっても1辛いことがあったら、負の感情の方が色濃く残ってしまう気がします。

プー・ルイ:確かに。SNS上でも「可愛い」とかの褒め言葉よりも「死ね」とかの悪口の方が頭に残るし、気になってしまいますね。人の幸せを映像で見ても「よかったね」で終わっちゃうけど、人の不幸を見る分には「あ、これよりマシ。私、幸せだ」って、どこか安心するから、“イヤミス”は需要が高いのかな、と。

(取材・文=戸塚安友奈/写真=本手保行)

■リリース情報
『暗黒女子』


DVD&Blu-ray発売中
【Blu-ray】HPXR-166
価格:5,800円+税
仕様:2017年/日本/16:9[1080p Hi-Def]ビスタサイズ/カラー/約105分/2層(一部1層)/2枚組
※特典ディスクは、DVD片面1層になります。
※商品スペックは、変更の可能性がございます。
【DVD】HPBR-166
価格:4,800円+税
仕様:2017年/日本/16:9 LB ビスタサイズ/カラー/約105分/片面2層(一部1層)/2枚組
※特典ディスクは、DVD片面1層になります。
※商品スペックは、変更の可能性がございます。

<特典>
【映像特典】
(本編ディスク収録)
・特報
・予告編
・TV SPOT「TVスポット“衝撃のラスト”編/TVスポット“さようなら”編」(特典ディスク収録)
・「悪女たちの裏側」(メイキング、インタビュー)
・完成披露試写会
・初日舞台挨拶
・イベント集
・キャラ別予告

【封入特典】
・アウタースリーブ(初回生産限定)
・写真集24P(初回生産限定)

出演:清水富美加、飯豊まりえ、清野菜名、平祐奈、玉城ティナ、小島梨里杏
原作:秋吉理香子『暗黒女子』(双葉文庫)
監督:耶雲哉治
脚本:岡田麿里
発売元:カルチュア・パブリッシャーズ
販売元:ハピネット   
(c)2017「暗黒女子」製作委員会 (c)秋吉理香子/双葉社

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