山下智久、ジャニーズの看板俳優となるか? 『コード・ブルー』と『ボク運』真逆の役柄を読む

 月曜21時から放送されているテレビドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)が好評だ。

 『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』は、1st season、2nd seasonも好評だった人気ドラマシリーズ。その主演を務めるのは、山下智久だ。山下が演じるのは、救命センターの医師・藍沢耕作。もともとはフライトドクター候補生として経験を積んでいたが、その後、翔陽大学附属北部病院の脳外科医へ転身。3rd seasonでは人手不足・推薦獲得のための症例稼ぎを理由に、再び救命センターに戻ってくるところからストーリーが始まっている。

 藍沢耕作は、クールでありつつも患者に真摯に向き合う姿勢も垣間見える実直なキャラクターだ。しかし、感情を露わにすることはほとんどない。ゆえに山下の台詞は、白石恵(新垣結衣)、緋山美帆子(戸田恵梨香)、藤川一男(浅利陽介)らフライトドクターの同僚たちと比べても極端に少ないが、その分表情で藍沢の心情を表しているシーンが多々ある。例えば、8月14日に放送された第5話でも、患者の応急処置中に妊娠中の冴島はるか(比嘉愛未)が倒れると一瞬困惑した表情を浮かべたり、オペを担当した患者の術後に異常がなかった時にはホッとした表情を浮かべたりする場面が放送されていた。決してオーバーではなく微妙な変化なのだが、その心情はしっかりと伝わってくる。藍沢耕作とは、言外で語る人物なのだ。

 そんな藍沢演じる山下は、4月クールのドラマ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)でもメインキャストを務めている。『ボク、運命の人です。』で演じたのは“神様”と名乗る、かなり言動が軽いチャラ男のような謎の男。しかし、実は未来から来た正木誠(亀梨和也)と湖月晴子(木村文乃)の息子・正木一郎であり、このドラマのキーマンである。『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の藍沢役と比べると動きや台詞回しがコミカルで、非常によく話す。これまでに山下が演じてきた役の中では珍しいキャラクターで、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の藍沢耕作役とのギャップの大きさに驚く。

 今でこそバラエティ番組や雑誌などで笑顔を見せてくれるが、以前、山下は『情熱大陸』(TBS系)の中で、こんな発言をしていたことがあった。

「僕、笑えないんですよ。写真とか。よく言われるんですよ、カメラマンさんに“笑ってください”って。“はい”って言っても全然顔が変わってなかったりするんですよ」

 この発言を聞くと、もともと山下は自分の感情を表に出すのが苦手なのかもしれない。確かに山下のラジオ番組『Sound Tripper!』(インターFM897)を聴いていても、一定のトーンで淡々と話している印象だ。そう考えると、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の藍沢役のほうが、普段の山下に近いといえるのではないだろうか。実際、インターネット上でも「感情表現が少ない役のほうが合っている」というファンの声が多く挙がっている。

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