初登場2位の『LOGAN/ローガン』、映画ファンが本作を応援しなくてはいけない理由

映画好きが『LOGAN』を応援すべき理由

 配給の20世紀フォックスは、今年10月公開予定の「猿の惑星」シリーズ最新作、『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』でも、邦題を最終決定した際の経緯をかなり早い段階(公開7ヶ月前の今年3月)にネットのニュースやSNSを通して説明していた。その説明内容は制作サイドの意図をくみ取った丁寧なもので、作品への期待が高まるものだった。すべての邦題が「悪」ではなく、作品の世界を日本の観客にとってより身近なものとする上で、時には邦題をつけるのも日本の配給会社の重要な仕事である(現在ネットの一部で問題視されている“Hidden Figures”の邦題『ドリーム 私たちのアポロ計画』は監督のセオドア・メルフィにとって寝耳に水だったようだが)。今回の『LOGAN/ローガン』や『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』のような作品に対する真摯な姿勢が、日本の外国映画興行における「常識」となることを願ってやまない。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)。Twitter

■公開情報
『LOGAN/ローガン』
全国公開中
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート
配給:20世紀フォックス映画
(c)2017Twentieth Century Fox Film Corporation
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/logan-movie/

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