沢尻エリカと小池栄子、女優魂がぶつかり合う! 『母になる』第7話で描かれた壮絶バトル

 「家族」とは、「母親」とはーー壮大なテーマを描くドラマ『母になる』(日本テレビ系)が、5月24日放送の第7話でひとつのクライマックスを迎えた。柏崎広(道枝駿佑)の実の母親である柏崎結衣(沢尻エリカ)、育ての母親である門倉麻子(小池栄子)との話し合いは、気迫のこもった演技がぶつかり合い息を飲む展開となった。

 一時でも同じ子を持った母として、わかり合い、互いの立場をはっきりさせておきたいーーそう思った結衣は話し合いをするため、門倉を家に招く。「本当に申し訳ありません」。結衣に謝る門倉であったが、「子供ができなくてかわいそう」という結衣の一言が門倉の逆鱗に触れてしまう。「確認してもいいですか? 柏崎オートで雇ってくれるんですよね?」と、まるで雇ってもらうだけのために来たかのような態度を取り、帰ろうとする門倉に「座りなさいよ!」と結衣が怒鳴りつける。

 ここからは建前ではなく、激しい本音のぶつかり合いだ。甘やかさず、母親として厳しく育ててきたと主張する門倉は、「あなたより、私の方が母親として相応しいと思っています」と言い放つ。言い切る前に、結衣は門倉の顔に勢いよく水をかけるも、門倉は再び同じセリフを言い直す。涙をため、真っ直ぐな瞳で結衣を見つめる門倉。これまでも小池栄子の演技力は絶賛されてきたが、シリアスな表情を浮かべ、結衣に正面から本音で向き合う姿勢は、これまでの彼女の演技の中でも一際、鬼気迫るものがある。

 先週の第6話は、門倉の過去にスポットライトが当たった回であった。愛する人と結ばれぬ恋愛、度重なる手術による最後の妊娠、不慮の事故による産まれる前の子供の死、「女性の幸せは結婚、出産」との価値観を押し付ける母親からの重圧、職場で受ける「子供がいないから」とのハラスメント、そして母親の死ーー。木野愁平(中島裕翔)を通して全てを聞いた上で、結衣は門倉を家に招いている。門倉は「あの子の中に私がいる。一挙手一投足に私がいるのよ」という“育ての母親”としての思い、そして広がいたことで周りから出産について聞かれなくなり、“自由”を手にしたことを明かす。しかし、結衣もここでは終わらない。

 門倉が広と幸せに暮らしていた一方で、結衣はテレビ、週刊誌に追われ、被害者にも関わらず酷いバッシングにあっていた。それぞれの鬱積した思いが爆発し、結衣は激しく門倉をビンタする。声を荒げ泣き叫ぶ沢尻に、熱い女優魂を見た気がした。結衣は、マスコミに追われていた時、一心に「広が生きてますように」と願い続けていた。「あの子を産んだ母親だからよ!」という、どんな時も子供を思い続けていた強い思いに門倉は根負けする。産みの母親と育ての母親、それぞれの思いが燃え上がった壮絶なシーンが、第7話の大半を使って描かれた。

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