山下智久「永久アバーヨ」のインパクト! 『ボク、運命の人です。』亀梨和也との掛け合いを読む

 亀梨和也と山下智久の再共演以上に、2人がタッグを組んで主題歌を務めるということが、この『ボク、運命の人です。』(日本テレ系)放送開始前からの最大の注目点だった。なにしろ12年前に『野ブタ。をプロデュース』の「修二と彰」としてリリースした『青春アミーゴ』は、ジャニーズの楽曲では歴代4位の売り上げを誇るメガヒット楽曲。そのコンビが再結成して歌う主題歌に、注目せずにいるなんて無理な話だ。

 ちょうど先日17日にリリースされた、「亀と山P」の『背中越しのチャンス』は、期待通りに初日10万枚を超えるセールスを記録。初回限定盤の欠品が相次ぎ、何かと話題のフリマアプリ「メルカリ」では高値で取引されるほどだ。さらに、19日と今週26日のミュージックステーションに2週連続で出演するなど、話題づくりに余念がない。

 そんな週に、肝心のドラマ本編が大きな山場を迎えるなんて、絶好球と呼ぶにふさわしい構成の妙を感じられる。先週の放送で亀梨演じる誠は、木村文乃演じる晴子に「時間をください」と言われていたので、観ているこちらとしては今週も大きな進展が無いものと油断してしまっていたのだが、この第6話で、ついに2人の赤い糸が結実したのである。

 誠と同期の和生(澤部佑)の2人が2年前にテレビの街頭インタビューに答えた時の映像を見返すと、例によって晴子らしい人影が映っている。ここに来てもまだ運命の赤い糸の繋がりを示すのかと思いきや、実はそれが晴子にとって人生のどん底であった、恋人に振られた夜だったということが明かされ、さらにそのとき誠は酔っ払って晴子に話しかけていたことを知る。

 そんな最悪な出会いが第1話よりも前にあったことがわかるが、これはいわば高校時代の野球の大会後の2人の立場を逆転させたシチュエーションとなるわけだ。相手が誰かだけわからずに、鮮明に記憶に残っている重要な出来事が、お互いにあったということで、2人の運命の強さをさらに強力に、まさにダメ押しのエピソードとなったのである。

 そして迎える、2年前の会話を再現するかのような告白場面は実に秀逸で、“神様”から今回のお題として命じられた「4文字ルール」に自然と従っていく亀梨に、またしても魅力的に撮られた木村文乃の姿。そこに2人を祝福するように米袋がひっくり返り、ライスシャワーが自動的に作り出されるという粋な計らいまでされ、なんてドラマティックすぎるドラマだろうか。

 それにしても、亀梨と山下の掛け合いのコミカルさがこのドラマの要であることを再認識させられる回でもあった。必死で木彫りの王将を彫る亀梨の横で、半世紀以上前のヒット曲である村田英雄の『王将』を歌う山下。ブルゾンちえみのネタを意識したように「3.5文字」とキメ顔を見せる山下に間髪入れずにツッコミを入れる亀梨。19日に放送された日本テレビ系深夜の『バズリズム』では、互いの家を行き来するなど20年来の親友エピソードを話していた2人だが、プライベートでもこんな感じなのだろうかと想像してしまうほど自然なのである。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる