新木優子、『CRISIS』紅一点で注目! “戒めのビンタ”で見せた新境地

新木優子、“戒めのビンタ”で見せた新境地

 さて『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』は、『SP』シリーズなどの脚本を手掛けた直木賞受賞作家の金城一紀が、国家に危機をもたらす政治的事件やテロを秘密裏に捜査する「公安機動捜査隊特捜班」の活躍を描く、アクションエンターテインメント作品だ。元自衛隊員の稲見朗(小栗旬)と、元公安の捜査員・田丸三郎(西島秀俊)を中心に、班長の吉永三成(田中哲司)、樫井勇輔(野間口徹)、大山玲(新木優子)らが特殊班の主なメンバーで、警察庁警備局長・鍛冶大輝(長塚京三)直轄の秘密部隊である。

 新木演じる大山玲は、特捜班の中でも唯一の女性捜査員で、凄腕の元ハッカーでサイバー情報分析のスペシャリスト。かつては反権力の立場から官公庁や大企業のサイトへ不正アクセスを繰り返した過去があり、クールながらも心に闇を抱えている。実力派のベテラン俳優たちの中で唯一の女性というだけでも世間から注目されるのに、これだけ激しいアクションシーンの多いハードな内容だと、さらに高い演技力が要求される。

 初回放送では、小栗が新幹線の中から川に飛び降りて犯人を捕まえた時、新幹線から「おーい」と笑顔で手を振る姿が可愛かったと思えば、基本はクールなたたずまい。訳ありの横柄な被害者に戒めのビンタを放つのだが、ちょっと弱く、SNSを中心にツッコミの書き込みがあったにせよ、芯の強いかっこいい女性として存在感を見せつけていた。そのため、「non-no」や、新木が出演してきたこれまでの作品とは縁遠かった層からも高評価を得ている。

 これまでとは真逆の役柄を演じている新木だが、記者会見で小栗は「新木優子ちゃんがなかなかの“規格外”でした。男たちに囲まれた現場できっと緊張もしていたはずなのに、そんな姿は全く見せず一番どっしりしていました」とコメント。今後はアクションシーンもあるようなので、女優として新たな一面を見せてくれるだけではなく、ターニングポイントとなる作品かもしれない。

 今期はほかにも、テレビ東京のドラマ『100万円の女たち』にも出演。売れない小説家である道間慎(RADWIMPS野田洋次郎)が5人の謎の美女たちとひとつ屋根の下で暮らし、女たちは家賃兼生活費として毎月100万円を支払っているというミステリードラマ。松井玲奈、武田玲奈、福島リラ、我妻三輪子と奇妙な同居生活を演じている新木は、“牛乳を愛する、大物感を漂わせる女”という謎の設定。複雑なセリフが交差する密室劇で、若手女優たちとの競演という、『CRISIS』とは真逆のタイプの演技を披露しているのも面白い。2017年は女優・新木優子の飛躍の年になるに違いない。

(文=本 手)

■放送情報
『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』
毎週火曜よる9:00〜(関西テレビ・フジテレビ系全国ネット)
原案・脚本:金城一紀
出演:小栗旬、西島秀俊、田中哲司、野間口徹、新木優子、石田ゆり子、飯田基祐、眞島秀和、長塚京三
音楽:澤野弘之、KOHTA YAMAMOTO
演出:鈴木浩介、白木啓一郎(カンテレ)
チーフプロデューサー:笠置高弘(カンテレ)
プロデューサー:萩原崇(カンテレ)
アソシエイトプロデューサー:坂田佳弘(カンテレ)
制作著作:カンテレ
(c)関西テレビ
公式サイト:www.ktv.jp/crisis/

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