清水富美加、『暗黒女子』で怪演! 色眼鏡で見てはもったいない3つの理由

清水富美加『暗黒女子』の怪演に寄せて

 もちろん、清水富美加も何かが憑依したかのような怪演を見せてくれる。サークルの新たな会長としてすべてを傍観して、綺麗にかっさらって行く。もしかすると、出家宣言の理由になった、「思想心理にかなっていない作品」というのは今作のことだったのかもしれない。

 清水は、一連の騒動の直後に声優に初挑戦した『龍の歯医者』が放送され、4月に映画版が公開となるドラマ『笑う招き猫』が先日スタートした。ますます女優として充実し始めた時期の今回の騒動は、正直なところ少し寂しくはある。7月には“清水富美加”としての活動を締めくくる話題作『東京喰種トーキョーグール』が予定通り公開されるわけだが、決してそれで引退というわけではなさそうなので一安心だ。

 あくまでも現在は休業中とのことで、今後幸福の科学が経営する芸能事務所「ニュースタープロダクション」への移籍も噂されているのだ。もっとも、幸福の科学側はそれについては未定と発表しているが、彼女の女優業引退については明確に否定をしている。もしかすると、定期的に幸福の科学傘下のHSピクチャーズが制作している映画作品や、それ以外の作品でも、再び彼女の姿を見ることができるのかもしれない。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■公開情報
『暗黒女子』
全国公開中
出演:清水富美加、飯豊まりえ、清野菜名、玉城ティナ、小島梨里杏、平祐奈、升毅、千葉雄大
原作:秋吉理香子『暗黒女子』(双葉文庫)
監督:耶雲哉治
脚本:岡田麿里
制作プロダクション:ROBOT
配給:東映/ショウゲート
(c)2017「暗黒女子」製作委員会 (c)秋吉理香子/双葉社
公式サイト:ankoku-movie.jp

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