サミュエル・L・ジャクソンが語る、キングコングへの愛情「伝説の一部になれて嬉しい」

サミュエル・L・ジャクソンインタビュー

 トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソンらが共演する映画『キングコング:髑髏島の巨神』が、本日3月25日より公開された。本作は、太平洋の孤島“スカル・アイランド(髑髏島)”で未知なる生物たちに遭遇した遠征調査遠征隊のメンバーたちが、島から脱出しようと試みる模様を描いたアクション・アドベンチャーだ。リアルサウンド映画部では、髑髏島の航空調査を行なう部隊を率いるプレストン・パッカード大佐役を演じたサミュエル・L・ジャクソンにインタビューを行ない、キングコングへの思いや出演作を選ぶポイントなどについて話を訊いた。

「CG技術の発達はジョージ・ルーカスの言葉を思い出す」

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ーーあなたは1933年の『キング・コング』の大ファンだったそうですね。

サミュエル・L・ジャクソン:そうなんだ。僕らの年代にとって“キングコング”と言えば、フェイ・レイがヒロイン役を務めた1933年のあの『キング・コング』で、エンパイア・ステート・ビルによじ登ったコングと飛行機が対決するシーンのイメージが頭の中から離れなかったんだ。今回の『キングコング:髑髏島の巨神』の出来には僕自身も非常に満足しているよ。それに、キングコングの伝説の一部になれたことをとても嬉しく思っている。僕が演じたパッカードは、逃げ惑うことなく、堂々とキングコングに立ち向かっていくんだ。まるでボス同士の闘いのようにね。そこは新しい面白さのひとつじゃないかな。

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ーー本作のキングコングは1933年の『キング・コング』を踏襲しつつも、まったく新しいキングコング映画になっていましたね。

ジャクソン:まずスケールが違うよね(笑)。1933年の『キング・コング』は、あの時代によくあれほどの作品を作ったなと感心する作品だった。でもそれは今回の作品にも言えることで、この時代によくここまでの作品が作れたなと思う。今回はキャストがみんなベテランで、非常に才能豊かな面々が揃っていたから、人間の在り方や登場人物たちの感情の動きなどはまったく心配いらなかった。この映画の要は、登場するモンスターをどう描くかで、僕ら役者ができることは、モンスターがどれぐらいの大きさで、どこにいて、どのぐらいの速さで動くのかといったことをきちんと把握しながら演技をしていくということだった。CGでモンスターが描かれる際、役者の動きがベースになってくるわけだから、僕もそこは徹底的に意識して撮影に臨んだよ。

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ーーコングをはじめとするモンスターの造形も見事でした。

ジャクソン:僕が『スター・ウォーズ』シリーズに出演した時、ジョージ・ルーカスが「やっとCGで水が描けるようになった」と言っていたんだ。僕は「何のことだ?」と思いながら聞いていたんだけど、当時はまだそこまで技術が発達していなくて、CGで水を描写するのが難しかったということなんだよね。それからルーカスは「次は“火”だね」と言っていて、それがすごく印象に残っているんだ。それはもう20年近く前の話になるわけで、今回の作品におけるCG技術を見ていると、すごく発達しているのがよくわかる。コングに関しても、体毛を描くのに300人がかりで何時間もかけて作られているんだ。スクリーンの中にいる自分を観て、「ずっとこれがやりたかったんだ!」という気持ちになったね。これこそ映画の醍醐味だし、コングと一緒にスクリーンに映っている自分を観て感動したよ。

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ーーあなたとコングが対峙するシーンは、最も印象的なシーンのひとつだったと思います。

ジャクソン:あのシーンは、自信に満ち溢れたパッカードがひとつの勝利を味わう瞬間になっているんだ。「こうするんだ。きっとうまくいく」と自信をみなぎらせながら、万一うまくいかなくても自分を犠牲にして役割を果たすというね。例えるなら、白鯨と対峙するエイハブ船長のような感じだね。『白鯨』の場合は、最終的に船は転覆させられてしまうわけだけど、そのように「負けていられない」と人間が思う瞬間なんだよね。自分がそういうシーンを演じることになるなんて想像もしていなかったから、このチャンスが来た時はまさに飛びつく感じだったよ。

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