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中村倫也&奥野瑛太『3月のライオン 前編』のサブキャラに注目! 個性派棋士役の好演に迫る

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 幼いときに事故で家族を失った高校生のプロ棋士・桐山零が、多くの出会いを重ねながら成長していく姿を2部作で描く『3月のライオン』。公開になった前編より、主演クラスの俳優たちに交じって、きっちり爪痕を残す若手実力派の中村倫也と気鋭の奥野瑛太に注目したい。

 往々にして批判的な意見の多いコミックの実写映画化だが、こと『3月のライオン』に関しては好意的な声が多く聞かれている。主人公・零役の神木隆之介や、A級八段の島田開役の佐々木蔵之助など、実写化するならと、原作ファンがかねてより希望していたキャスティングがされたことも大きい。そして『るろうに剣心』の大友啓史監督が、豪華なキャストをこれでもかと集めつつ、それぞれのキャラクターが見事にかみ合った群像劇へ仕上げることに成功した。

 『ハチミツとクローバー』でも知られる羽海野チカのコミックを映画化した『3月のライオン』は、現在、アニメ版も放送されている人気作だが、原作はいまだ連載中。そのため、2部作として描かれる映画版での後編は、少なからず映画独自の要素が入ってくるが(ラストに関しては監督が羽海野さんに予定していたラストを聞いたうえで作り上げている)、前編は原作から拾った要素で積み上げられていく。

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 前述したとおり、神木と佐々木以外にも、有村架純や倉科カナ、染谷将太、加瀬亮、高橋一生、伊藤英明、豊川悦司とスター俳優が並びながらも、決して喧嘩することなくそれぞれが役として息づく本作。そこで零の先輩にあたるプロ棋士で、“スミス”なる愛称を持つ三角龍雪に扮しているのが、中村倫也だ。

 最近では、放送が終了したばかりの堤真一主演ドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』での、ムロツヨシ扮する刑事の話を鵜呑みにしてキャッキャと喜ぶ若手警官の役で親しんでいる人も多いだろう。2005年にデビューしている中村だが、その才能を研ぎ澄ましたのは舞台の場。ミュージカルでも才能を発揮しており、『RENT』(12)では同じく『左江内氏』のキャストである賀来賢人と共演。好評を博した。14年にはトニー賞6部門受賞作の日本版『ヒストリーボーイズ』で舞台初主演を果たし、読売演劇大賞優秀男優賞を受賞している。また同年の『ライチ☆光クラブ』のカリスマ的キャラクター、ゼラ役での主演も高く評価されている。

 映像でも舞台でもコンスタントに活躍している中村だが、ここ数年、特にその勢いが目覚ましい。昨年公開された映画『星ガ丘ワンダーランド』では佐々木希、菅田将暉、市原隼人、杏、木村佳乃、新井浩文、松重豊らを向こうに主演を務め、青年の繊細な心の動きを表現した。中村の魅力は役によってまるで違う顔を見せることであり、ドラマ『お義父さんと呼ばせて』は女装姿を披露し、『闇金ウシジマくん Season3』(16)では「洗脳くん編」の神童役をヤバさ満点で演じきるなど、役柄の幅の広さを見せつけている。

 『3月のライオン』では、茶色のおかっぱ頭にちょろっと口ひげを生やした“スミス”として、尾上寛之扮する松本一砂と常につるんで登場。立ち位置的には完全な脇キャラだが、脇が甘くては作品は成り立たない。原作ファンも、“スミス”のようなキャラクターが着実に再現されてこそ嬉しいというもの。中村は「スミス」の持つどことなしに可愛らしい空気感をきっちりと出した。

     
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