春休み興行を制するのは『モアナと伝説の海』? 『ズートピア』4割増しの驚異的スタートダッシュ

春休み興行を制するのは『モアナと伝説の海』?
20170316-rank.jpg

 

 本格的な春休み興行を前に、全国のシネコンが活気づいている。2月末に公開された『ラ・ラ・ランド』は3週目にして興収25億突破を確実に。その翌週に公開された『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』も前作を上回るペースで興収を積み上げている。そして、先週末は春休み興行の本命と目されていたディズニー・アニメーション・スタジオ最新作『モアナと伝説の海』が公開。公開初日の金曜日からの3日間で動員56万9000人、興収7億1500万円という数字を叩き出した。

 今年は(昨年12月に公開された)正月映画の伸びがどの作品も今ひとつで、2月の半ばに『相棒-劇場版IV-』が公開されるまで例年に比べて低い水準の興行が続いてきたが、ここにきて、初動だけでなくロングランが見込める作品の公開が3週連続(『ラ・ラ・ランド』『ドラえもん』『モアナと伝説の海』)で続いたことになる。今週末には『SING/シング』、来週末には『キングコング:髑髏島の巨神』と大ヒットが期待できる作品の公開もまだまだ控えていて、興行関係者はほっと一息といったところだろう。

 ディズニー・アニメーション・スタジオ、及びピクサー・アニメーション・スタジオの作品の日本での興行は、これまで初動ではそこまで爆発しなくても、二週目、三週目以降に前週比を更新するような数字を上げて、最終的には大きなヒットになるという傾向があった。昨年4月に公開された『ズートピア』も、初週の土日2日間の興収は4億4580万4900円で、公開2週目の『名探偵コナン 純黒の悪夢』に大きく差をつけられての初登場2位だった。しかし、結果的に『ズートピア』は累計興収76.3億円で年間4位。年間ランキングで2つ下の『名探偵コナン』に約13億円もの差をつけることとなった。

 そういう意味では、今回スタートダッシュ(動員比で『ズートピア』の142%)をきった『モアナと伝説の海』には、それ以上のヒット・ポテンシャルがあると見てもいいだろう。また、放送後に悪い意味で話題になってしまったフジテレビでの『アナと雪の女王』の地上波初放送、そしてちょうど『モアナと伝説の海』公開日と重なったその翌週の日本テレビでの『塔の上のラプンツェル』といったディズニー作品の地上波放送も、公開タイミングで『モアナと伝説の海』に広く注目が集まることに貢献したに違いない。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「興行成績一刀両断」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる