3年前の大ヒット作『永遠の0』から約半減 『海賊とよばれた男』初登場4位の鈍いスタート

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 『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が動員38万人、興収5億6600万円と、前週の約84%(興収比)という相変わらずの高推移で3週連続興収トップであった先週末。

 しかし、動員ランキングで1位を奪取したのはゲームアプリの劇場版アニメーション『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』だった。土日2日間の動員は39万人、興収4億4000万円。その原動力となったのは、映画館に行くと無料で限定ガチャが引けるという特典だ。これまでも特に子供向けのアニメや戦隊もので威力を発揮してきた入場者特典だが、「スマホゲームのガチャ」という作品の特性を最大限に活かしたこの新たな手法は、30代以下のスマホゲームのユーザーのニーズにピッタリとはまるもので、特に地方の劇場で圧倒的な強さを発揮した。映画興行の手法が新たな局面に入った一つの成功例として、今後も追従する作品が出てきそうだ。

 公開から15週間、常に1位か2位をキープしていた『君の名は。』だったが、16週目となる先週末は一気に5位まで下降。さすがにここにきて息切れも見られるが、動員減少のダイレクトな要因となったのは、上映館の減少にある。その『君の名は。』の一部のスクリーンを奪って、先週末426スクリーンで拡大公開されたのが、百田尚樹の原作小説を山崎貴監督、岡田准一主演で映画化した『海賊とよばれた男』だ。結果は、動員ランキングで初登場4位だった。

 百田尚樹原作、山崎貴監督、岡田准一主演といえば、ちょうど3年前に公開された『永遠の0』の大ヒットがまだ記憶に新しい。最終興収87.6億、実写日本映画としては近年最大のヒット作となった同作は、2013年12月21日に430スクリーンで公開、オープニングの週末2日間に動員約43万人、興収約5億4230万7円でダントツの1位を記録。今回の『海賊とよばれた男』の動員22万4000人、興収2億8600万円という数字は、いずれも『永遠の0』の約52%。百田×山崎×岡田という組み合わせによる相乗効果は、この3年間でかなり目減りしてしまったようだ。

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