菅田将暉のラブシーンはなぜ美しい? 少年らしさの中に宿る艶っぽさ

菅田将暉のラブシーンが人々を虜にするワケ

 今年公開された映画『二重生活』では、門脇麦との愛らしくも本能的な濡れ場を披露。表情や仕草、会話などが絶妙で、愛おしさが芽生えるほど惹きこまれた。さらに、菅田のキスシーンの代表作と言っても過言ではないのが、現在公開中の映画『溺れるナイフ』ではないだろうか。小松菜奈とのキスシーンの美しさたるや。現実離れしたあまりの麗しさに、思わず感嘆の声が漏れた。あくまでキスだけなのだが、最も見てはいけない行為を目にしてしまったような背徳感すら覚えた。それと同時に、神秘的なモノに触れたかのような高揚感も芽生える。感極まって涙がこぼれそうになるほど、彼のキスシーンに魅了された。

 最近のラブストーリーといえば、山崎賢人や福士蒼汰などの印象が強い。山崎や福士は、少女漫画原作の実写化に起用されることもしばしば。そのため、憧れの王子様といったイメージが強く、ラブシーンも少女漫画的な爽やかさが際立つ。しかし、役柄の違いはあれど、菅田の場合は男らしさの中にどこか幻想的な美しさを持つ。母性本能をくすぐる可愛らしさと、少年らしさが残った素朴さ。それらに隠れていた情熱的な部分がむき出しになった時、恐ろしいほどの艶っぽさが生まれるのだ。

 息を呑むほどの色気。菅田のラブシーンは、老若男女関係なく見る者を誘惑する。現実感がある一方で、どことなく非現実的という矛盾がまた、癖になる。菅田将暉という役者が放つ色っぽさは、これからも多くの人たちを虜にしていくに違いない。

(文=朝陽空)

■公開情報
『溺れるナイフ』
TOHOシネマズ渋谷ほか全国ロードショー
出演:小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅(ジャニーズWEST)、上白石萌音、志磨遼平(ドレスコーズ)
原作:ジョージ朝倉「溺れるナイフ」(講談社「別フレKC」刊)
監督 山戸結希
脚本:井土紀州、山戸結希
音楽:坂本秀一
主題歌:「コミック・ジェネレイション」ドレスコーズ(キングレコード)
製作:「溺れるナイフ」製作委員会(ギャガ/カルチュア・エンタテインメント)
助成:文化芸術振興費補助金
企画協力・制作プロダクション:松竹撮影所
制作プロダクション:アークエンタテインメント
企画・製作幹事・配給:ギャガ
(c)ジョージ朝倉/講談社 (c)2016「溺れるナイフ」製作委員会
公式サイト:gaga.ne.jp/oboreruknife/

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