大倉忠義、重岡大毅……関西ジャニーズ勢が役者として活躍するワケ 演技力が磨かれた背景とは?

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 アイドルから名俳優へ。これまで多くのジャニーズメンバーが、そうした進化を遂げてきた。現在、本日公開の映画『疾風ロンド』の大倉忠義(関ジャニ∞)、公開中『溺れるナイフ』の重岡大毅(ジャニーズWEST)のふたりも、またその道を突き進んでいる。

 ジャニーズの基本体制は、ダンスレッスン以外はすべて独学。先輩アイドルの舞台やステージに出演して、習うより慣れろというスタンスだ。そんななかで、近年関西からデビューした2グループが、演技の面で高い評価を得ているのはなぜなのか。

 まず1点目に挙げられるのは、本人の努力に他ならない。大倉も重岡も、ジャニーズに入る前は特別なスキルはなかった。だが、大倉は関ジャニ∞として活動するために1ヶ月でドラムを習得。重岡も公園の電灯で影を見ながら、人知れず苦手なダンスの特訓をした努力家だ。俳優の仕事も、きっと彼らにとってはこれまでぶつかってきた壁と同様、乗り越えるべきチャンスと捉えられたのだろう。

 2点目は、関西のファンたちが厳しくも温かく見守ってきたことだろう。関西といえば、いわずもがなお笑いの文化が根強く、日常的にお笑いコントや漫才などを目にしている。トークの間や掛け合うテンポはもちろん、コントともなれば設定がわかりやすくなるように演技力も求められる。関西ジャニーズ勢は、Jr.時代からそうした目のこえたお客さんを前に、舞台経験を積むことになるのだ。

 もちろんデビュー前は、小さな舞台が中心。お客さんの反応はステージ上にいる彼らにもダイレクトに伝わる。大倉は、もともと演技が得意なほうではなく、はじめのころはセリフを言えば、客席からクスクスと笑い声が聞こえたこともあったという。また、熱心なファンは、売れるためのアドバイスを手紙にしたためる。重岡もファンレターでダメ出しを受けて、「もっとがんばらな」と奮起してきた経験を明かしている。

 そして、3点目はそんな彼らを支えるグループの存在ではないか。関ジャニ∞もジャニーズWESTもデビュー前の下積み時代が長かったこともあり、同志としての絆が強い。大倉がドラムの試練を乗り越えられたのも、先にバンドをしていた安田章大と丸山隆平による猛プッシュと、渋谷すばるの「チャンスやで」の一言だったそう。また、重岡も神山智洋にダンスの振り付けを教えてもらいながら成長を続けてきた。ときに、一生懸命になりすぎて周りが見えなくなる重岡に、肩の力を抜くように背中を叩いてくれる存在もまたメンバーだと話している。

 そんな応援してくれる誰かがいることで、自分を客観視できるようになり、演技力が高まるのかもしれない。11月20日放送の『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)で、大倉は名優・藤田まことから「カメラの向こうにお客さんの顔が見えている」と演技を褒められたことが、俳優としての糧となったと語っている。

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