下ネタ、大麻、スプラッター! 過激な“R指定”CGアニメ『ソーセージ・パーティー』が越えた壁

麻薬アニメ『ソーセージ・パーティー』の魅力

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 セス・ローゲンは製作・脚本・出演作で、こういった過激でお下劣な作風の裏に、常にある種のテーマや皮肉を織り交ぜてきた。『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』ではセレブの存在をパロディにし、最後の審判をモチーフに。『ザ・インタビュー』では金正恩暗殺をテーマにして物議を醸している。生真面目になりがちな問題を説教臭くせず、わかりやすい表現と笑える演出で見せるのがセス・ローゲンのやり方なのである。もともとスタンダップコメディアンからキャリアをスタートし、ジャド・アパトーに脚本を学んできたからこそ、この独特のスタイルに辿りついたのだろう。ディズニーの『ズートピア』や『アナと雪の女王』のように暗喩に満ちた多様性の見せ方もいいが、ストレートな表現で楽しく見せる方法もあるのだ。

 随所に巧さが光る『ソーセージ・パーティー』だが、いかんせんセス・ローゲンは「脚本を大麻を吸いながら書く」と公言している人物なので、行き過ぎている部分が多々あるのも事実。前述した“性と人種のダイバーシティ”を表現した(?)と思われる終盤のあるシーンは、正直そこまで見せなくても……と思ってしまうほどエグイもの。「最後はハッパをキメながらみんなで楽しくやろうぜ!」と言わんばかりその展開は、観る者を確実に選ぶので要注意だ。

■藤本 洋輔
京都育ちの映画好きのライター。趣味はボルダリングとパルクール(休止中)。 TRASH-UP!! などで主にアクション映画について書いています。Twitter

■公開情報
『ソーセージ・パーティー』
公開中
監督:コンラッド・ヴァーノン、グレッグ・ティアナン
音楽:アラン・メンケン&クリストファー・レナーツ
声の出演:セス・ローゲン、クリステン・ウィグ、ジョナ・ヒル、エドワード・ノートン(『バードマン』)、サルマ・ハエック
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

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