山田涼介、松岡昌宏、藤井流星……ジャニーズ秋ドラマ、それぞれの新境地

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(C)タナカケンイチ

 10月期スタートのドラマが出揃い、各番組それぞれの傾向や人気が定まりつつある。今期は特に、『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日)、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBSテレビ)、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ)など、女性主人公の作品が人気を集めているが、一方でジャニーズタレントはそれぞれ新境地に挑み、興味深い活躍を見せている。Hey! Say! JUMP・山田涼介の『カインとアベル』(フジテレビ)、ジャニーズWEST・藤井流星の『レンタル救世主』(日本テレビ)、TOKIO・松岡昌宏の『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)の三作品から、それぞれの現在地を探りたい。

新米キャラが好ましい山田涼介

 当サイトでも何度か紹介してきた『カインとアベル』は、視聴率的には厳しい状況が続いている。(参考:山田涼介『カインとアベル』視聴率苦戦中だが見応えアリ? 硬派な作風は配信で高評価の可能性も)24日に放送された第二話の関東地区での視聴率は8.6%で、17日に放送された第一話の平均視聴率8.8%をさらに下回る結果となった。月9枠でありながら王道のラブストーリーではないこと、山田涼介の人気が未だ全世代的なものになっていないことなど、理由は多く考えられるが、物語自体は30〜40代の大人の視聴者の鑑賞に耐えうるもので、決してクオリティの低いものとはいえない。

 第二話は、山田涼介演じる弟・高田優が倉科カナ演じる矢作梓とともに、アウトレットモールの設計担当に任命され、大御所建築家である神谷仁(竜雷太)に設計依頼をするものの、交渉に難航して苦労する様が丁寧に描かれていた。聡明そうな顔立ちだが、決して仕事ができるわけではない高田優の交渉は、いかにも若者らしい脇の甘さが感じられるもので、つい口を出してしまいたくなった視聴者も少なくないだろう。どこか放っておけない雰囲気を醸し出す山田の演技は、おそらく同世代よりも少し上、30〜40代の社会人こそ、昔の自分を重ねて応援したくなってしまうのではないだろうか。同世代からの支持はすでに厚い山田だが、今作でさらにファン層を広げる可能性がありそうである。今夜放送の第三話では、いよいよ兄との確執が生まれ、物語が本格的に動き始めるところなので、要注目だ。

 Hey! Say! JUMPは現在、アイドルグループとしては充実期にある。10代の前半でデビューした彼らは十分な経験もあり、スキルの面でも非常に洗練されたメンバーが多い。パフォーマンスのクオリティは、ほかのジャニーズグループと比較してもかなり高いレベルに達していると言っていいだろう。正統派のジャニーズアイドルグループとして、その実力を広く認知させるためにも、山田には健闘してほしいものだ。

華麗なアクションで魅せる藤井流星

 E-girlsの藤井萩花、藤井夏恋の実兄として知られる藤井流星は、沢村一樹主演のドラマ『レンタル救世主』で活躍中だ。「レンタル救世主」とは、依頼主にレンタルされたらどんなことがあっても命がけでその人を救うという職種で、藤井演じる葵伝二郎は超目立ちたがり屋の変わり者だが、なぜか異常に強くて優秀という役柄。ド派手な金髪がトレードマークで、毎回アクロバティックなアクションシーンを演じることでも注目を集めている。

 藤井はこれまで『アゲイン!!』(2014年/TBS系)で主演を務めたほか、『ようこそ、わが家へ』(2015年/フジテレビ)では嵐の相葉雅紀と、『サムライせんせい』(2015年/テレビ朝日)では関ジャニ∞の錦戸亮と共演するなどして、早くも俳優として活躍の幅を広げているメンバーだ。笑いを重視するジャニーズWESTのメンバーらしく、チャラくてノリの良いキャラクターをてらいなく演じられるところは、彼の長所であり、今作のようなコメディ色の濃い作品では重宝されることだろう。もちろん、長身を活かしたダイナミックなアクロバットも必見。10月23日に放送された第3話では、ヤクザグループを相手取り、ダンスのような華麗なアクションを披露していた。本格的なアクション作品での起用が待たれるところである。

 ジャニーズWESTのメンバーは今年、続々とドラマ・映画に出演し、急速に評価を高めつつある。11月5日公開の映画『溺れるナイフ』に出演している重岡大毅の演技も、すでに高い前評判を得ている。次に大きくブレイクするグループは、もしかしたらジャニーズWESTなのかもしれない。

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