『アングリーバード』プロデューサーが語る、日米アニメの違い「アメリカは一段階遅れている」

『アングリーバード』製作者インタビュー

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ーー画面いっぱいに写っているたくさんの鳥や豚が、個々にきちんと差別化されて描かれていたことに驚きました。アメリカでは、どんどんアニメーションのテクノロジーが発展していると思いますが、それによって表現に差異を付けるのが難しくなっている面もあるかと。これからのアニメーションには、どんなことが課題だと考えていますか?

ジョン:アニメーションの技術は常に進化していて、次から次へと新しいものが生まれてくる。そして、どんな表現にも対応できるだけの技術も、すでに揃っていると言えるね。これからなにができるのか考えた時に思うのは、視聴者のタイプにとらわれず、色んなジャンルの作品を作ることなんだ。具体的に言えば、大人向けのアニメなどがもっとできればいいと思っている。そういう意味では、アメリカと比べて日本のアニメーションはすごく進んでいるよね。色んな年代に向けた多種多様な作品を作ることができている。日本と比べると、アメリカのアニメーションは一段階遅れていると感じるよ。

ーー日本のアニメをどのように評価しているのですか?

ジョン:『千と千尋の神隠し』『時をかける少女』など、日本のアニメーションは大好きだよ。作品のアート性が高いと思うし、人の目を引く細やかな演出が特に素晴らしいね。『となりのトトロ』に出てくる少女たちの、些細な動きや描写はすごく魅力的に感じたよ。言葉にできない微妙なニュアンスではあるのだけど、そこに僕らの作品との大きな違いを感じるんだ。これは僕が日本のアニメの大ファンだから言えるのかもしれないが、僕にとっては手でドローイングされる古典的なセルアニメが、大きなベンチマークになっているのかもしれないね。

(取材・文=泉夏音)

■公開情報
『アングリーバード』
公開中
監督:ファーガル・ライリー、クレイ・ケイティス 
製作:ジョン・コーエン
日本語吹き替え版声優:坂上忍(レッド)、りんか&あんな(ベイビーバード)、前園真聖(ジョニー/ピッグセブン)
配給・宣伝:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト:http://www.angrybird-movie.jp/

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