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イーストウッドは「洋画」最後のブランド? 『ハドソン川の奇跡』のヒットを考える

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 こうして毎週、地道に動員や興収の分析記事を書いている自分のような人間にとって、現在は受難の日々である。わざわざ「この世界の片隅に」ある映画サイトの記事などをクリックしなくても、1位の作品については一般のニュースとしてその都度、数字が報道されるからだ。というわけで、1位はサクッといきますね。5週連続で動員ランキング1位の『君の名は。』、先週末土日2日間の動員は63万7000人、興収は8億6000万円。9月25日までの累計は動員850万人、興収111億円。これ、きっと動員1000万人いっちゃいますね。なんてこった。

 そして、宣伝会社からつい先ほど(9月29日)報告を受けたのだが、先週末3位の『聲の形』も、公開12日目(9月28日)にして、早くも累計興収が10億を突破したとのこと。『君の名は。』のせいですっかり数字の感覚が麻痺しちゃっている人も多いかもしれないが、この規模のアニメ映画でこの興収推移は相当すごいこと。最終的には20億を超えることもあり得るのではないか。

 さて、今週注目したいのは、その2本のアニメ作品に挟まれて初登場2位となったクリント・イーストウッド監督の『ハドソン川の奇跡』。先週末の土日2日間の動員は17万3000人、興収は2億2500万円。クリント・イーストウッド作品としては前作にあたる『アメリカン・スナイパー』(2015年)は最初の週末2日間で動員約25万人、興収約3億3240万であったから、その瞬発力には及ばないが、日本公開時は作品に対する賛否両論が世界的に渦巻く一大ムーブメントの真っ最中だった。今回の『ハドソン川の奇跡』も世界的に大ヒットとなっているが、前作と比べると良くも悪くも賛一色。主演がトム・ハンクスであるところからくる作品への安心感も少なからず影響しているかもしれないが、基本的に無風状態で公開された今回の『ハドソン川の奇跡』の好成績は、「2010年代のイーストウッド作品」への映画ファンの信頼の証と言えるだろう。

 アジア映画が大量に公開されるようになった今の時代に、あまり「洋画」というワードはつかいたくないのだが(本来は「外国映画」と言うべきだ)、かつて「洋画」には名前だけで観客を呼べる監督が何人も存在していた。フランシス・フォード・コッポラ、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ、ロバート・ゼメキス、ジャッキー・チェン、リドリー・スコット、ジェームズ・キャメロンなどなど。それぞれの作品での役割は、時には「監督」ではなく「製作」や「製作総指揮」であったりもしたが、そういう時でも監督よりも大きくその名前=ブランドをポスターやチラシに掲げることによって、大いに集客の助けになってきた。

      

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