浜野謙太、志磨遼平、石崎ひゅーい……個性が光る! 注目のミュージシャン俳優たち

『アズミ・ハルコは行方不明』石崎ひゅーい

 シンガーソングライターである石崎ひゅーい。『アズミ・ハルコは行方不明』で、映画初出演を果たす。石崎演じる曽我雄二(28歳)は、安曇春子(蒼井優)の同級生であり、ある日をキッカケに“付き合う”という言葉はないまま、春子と曖昧な関係になっていくという役どころだ。

 本作への出演がきっかけとなり、今年5月にリリースしたアルバム『花瓶の花』に収録された同名曲をもとに制作した短編映画『花瓶に花』が、「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016MUSIC VIDEO部門」で優秀賞を受賞した。

 石崎は、真っ直ぐ感情のまま歌い、底に秘めたエネルギーをぶつけるようなライブパフォーマンスをする。楽曲によって、石崎自身の雰囲気を含めガラリと調子が変わるが、どの楽曲もどこか優しく温かい部分がある。だからこそ、人々の心に染みる。また、ほとんどのPVに石崎自身が出演しているが、どれも楽曲と映像の世界観に見事に溶け込んでいる。しかし、PVで観る石崎は、まるで何かに取り憑かれているような非現実感もあるのだ。その世界の人物になりきっているからこそ、ファンタジー性を感じさせるのである。

 そんな表現者である石崎は、『アズミ・ハルコは行方不明』でどのように曽我雄二という人物になりきり、作品に色を添えていくのだろうか。石崎の姿をスクリーンで観るのが、とても楽しみだ。

 今回紹介した3人は、全員が自ら作詞作曲も手がけるシンガーであり、その世界を構築するためのパフォーマンスは、演技にも通じるところがありそうである。彼らの個性的な表現が、芝居の中でどのように活かされていくのか、ぜひチェックしてみてほしい。

(文=戸塚安友奈)

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