内田理央、山本舞香、石井杏奈……夏ドラマで飛躍した若手女優たち

実力派2世俳優たちの中で光った紅一点、石井杏奈

 学園ものと言えば次世代スターを発掘する場。今シーズンの学園ドラマ『仰げば尊し』にも様々な若手俳優が登場し、特に村上虹郎、真剣佑、太賀など、実力派の2世タレントが多く出演したことでも話題となった。不良たちが寺尾聡演じる教師の熱意で更正し、吹奏楽部で全国大会の頂点を目指す王道の青春ドラマで、そんな不良たちが切磋琢磨する吹奏楽部の中、教師との架け橋にもなる女神的存在が石井杏奈だった。

 E-girlsから女優部門として突如送り込まれた刺客かと思いきや、ポカリスエットや積水ハウスなど、透明感のある少女を多数輩出してきたCMにも出演している。その瑞々しさと声の綺麗さが、一夏の青春という儚くも尊い時期を演じるのにうってつけだったのだろう。E-girlsの活発なイメージから一転、さわやかな純粋さを前面に出した役どころは、不良たちのよい中和剤となっていた。本作がこの夏、数少ないヒットドラマのひとつとなったのは、石井杏奈の魅力によるところもあっただろう。

 今期は他にも、『こえ恋』の永野芽郁や唐田えりか、『そして誰もいなくなった』の桜井日奈子など、話題のCMで活躍する女優たちが出演するドラマも多く、ベテラン俳優を主演に起用した作品が目立つ陰で、実はいろんな才能が生まれ飛躍していた、実験的なシーズンだったとも言える。昨今ではネットで過去の放送を配信している局も多いので、改めてチェックしつつ、秋ドラマへの期待を高めてみても良いかもしれない。

(文=本 手)

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