『スーサイド・スクワッド』ハーレイ・クイン役でブレイク! マーゴット・ロビー、成功への軌跡

マーゴット・ロビー、成功への軌跡

 『スーサイド・スクワッド』のハーレイ・クインも、お色気ありきのキャラクターではある。登場したシーンからして鉄格子を舐め上げて男を挑発するし、へそ出しコスチュームに着替えるときも、ホットパンツから尻をはみ出させながら歩くときも、常に周りの悪党どもを悩殺しまくっている。だが、先だって公開された『ターザン:REBORN』でもターザンの妻役だったマーゴットが、初めて「誰かの妻」でも「スターの相手役」でもない女性を演じ、ほとんど主役に見えるほどの存在感を発揮しているのが痛快だ。マーゴット自身、オタク的なところがあり、10代の頃は『ハリー・ポッター』にハマって目が悪くないのにハリーのような黒縁メガネを作ってもらったほどだとか。8月に映画のPRで来日した際には、「原作(アニメ)のハーレイ・クインはとても人気があるので、ファンの期待に応えられるよう頑張りました」と語っていた。まさにオタク的なコスプレ魂でブレイクしたと言えるかもしれない。

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 ここに至るまでマーゴットは、同年代の有名女優がやらない役を引き受けてきた。同じ1990年生まれの女優には、前述の『ハンガー・ゲーム』シリーズのジェニファー・ローレンスや『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソン、『トワイライト』シリーズのクリステン・スチュワートがいるが(恐るべき90年組!)、マーゴットが演じたステレオタイプな美女役は、絶対に引き受けないだろう。しかし、彼女たちのようにヒット作を持たず、また身ひとつでオーストラリアから出てきたマーゴットには、ブレイクするために必要な道のりだったのだと思える。そして、米ワーナーがハーレイ・クインを中心に『スーサイド・スクワッド』をシリーズ化するという噂も。ついに自分が主役となれるシリーズを得た“イット・ガール”のサクセス・ストーリーを今後も見守っていきたい。

■小田慶子
ライター/編集。「週刊ザテレビジョン」などの編集部を経てフリーランスに。雑誌で日本のドラマ、映画を中心にインタビュー記事などを担当。映画のオフィシャルライターを務めることも。女性の生き方やジェンダーに関する記事も執筆。

■公開情報
『スーサイド・スクワッド』
9月10日(土)全国ロードショー
監督・脚本:デヴィッド・エアー
製作:チャールズ・ローブン、コリン・ウィルソン、リチャード・サックル
出演:ウィル・スミス、ジョエル・キナマン、マーゴット・ロビージャレッド・レト、ジェイ・コートニー、カーラ・デルヴィーニュ、福原かれん
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNEENTERTAINMENT LLC
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/suicidesquad/

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