『君の名は。』現象の中心で、『後妻業の女』の健闘について考える

『後妻業の女』ヒットが意味するもの

 それにしても、『君の名は。』で10〜20代を中心に新たな観客層を根こそぎ掘り起こし、『シン・ゴジラ』は中高年を中心に全観客層をカバー、シニア層は『後妻業の女』と、今年の夏から秋にかけての東宝作品のハマりっぷりは「お見事!」としか言いようがない(『青空エール』だけは割りを食ってしまったが)。日本映画の質的な底上げは、ある特定の層に向けた作品だけでは成しえないことを、その盤石な作品のラインナップが示している。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)。 Twitter

■公開情報
『後妻業の女』
全国東宝系にて公開中
出演:大竹しのぶ、豊川悦司、尾野真千子、長谷川京子、水川あさみ、風間俊介、余貴美子、ミムラ、松尾諭、笑福亭鶴光、樋井明日香、梶原善、六平直政、森本レオ、伊武雅刀、泉谷しげる、柄本明、笑福亭鶴瓶、津川雅彦、永瀬正敏
監督・脚本:鶴橋康夫
原作:黒川博行「後妻業」文春文庫刊
(c)2016「後妻業の女」製作委員会
公式サイト:http://www.gosaigyo.com/

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