シュールな姿がクセになる? 『ラブラブエイリアン』主演の“困り顔”女優、新木優子の存在感

 これまでの平均視聴率11.31%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、この夏いちばんの注目作となった、北川景子主演のドラマ『家売るオンナ』(毎週水曜22時~/日本テレビ系)。「私に売れない家はない!」と宣言し、「GO!」という掛け声のもと部下に仕事を促す、北川景子演じる強烈キャラの営業ウーマン「三軒家万智」の活躍を描く本作も、本日の放送を含めて残すところあと2回。物語はいよいよクライマックスに突入することになるのだが、ここで指摘しておきたいのは、主演の北川景子をはじめ、仲村トオル、工藤阿須加、千葉雄大、イモトアヤコなど、個性豊かな面々が顔そろえる「テーコー不動産新宿営業所」にあって、ひとり気になる新進女優がいることである。他の営業部員たちとは異なり、「三軒家万智」に感化されることなく、ひとりマイペースを貫いているデスク担当の女性従業員「室田まどか」を演じる新木優子のことである。

 10代の頃からモデルとして活動を開始、2014年からはファッション雑誌『non-no』の専属モデルとして活躍している新木優子、22歳。昨年からは、数々のテレビCMに登場するようになり、とりわけCaféレストラン「ガスト」のCMで見せた明るい笑顔、及び「ゼクシィ」の8代目CMガールとして披露した初々しいドレス姿は、多くの人の記憶に残っていることだろう。そんなモデル/タレントとしての仕事と並行して、近年は女優業も活性化。昨年は、『いつかティファニーで朝食を』(日本テレビ系)、『監獄学園-プリズンスクール-』(MBS)などの連続ドラマをはじめ、映画『家族ごっこ』などにも出演。昨年末に公開された映画『風のたより』では、堂々主演もこなしているのだ。

 そんな活躍目覚ましい、注目の若手女優のひとりである彼女だけれど、これまでにない強烈キャラを演じる北川景子をはじめ、頼りがいのない課長を演じる仲村トオル、ダメ社員を好演しているイモトアヤコなど、かなり個性的な登場人物が数多く登場する『家売るオンナ』にあって、彼女の見せ場は、これまでのところ残念ながらあまり多いとは言えない。しかし、ご安心を。同日の深夜に放送されている彼女の主演ドラマ『ラブラブエイリアン』(毎週水曜25時55分~/フジテレビ系)では、その魅力を存分に発揮しているどころか、『家売るオンナ』で彼女のことが気になった諸兄には、むしろこちらが必見の内容となっているのだから。

 主演の新木優子をはじめ、森絵梨佳、太田莉菜、久松郁実といった、いずれもモデル経験のあるスタイル抜群の主要キャラ4人が、なぜか宇宙っぽい(?)銀の衣装に身を包みながら、振りつきでキュートな歌唱を披露するオープニング・タイトルからして、多くの人々の度肝を抜いた『ラブラブエイリアン』。ある日突然やってきた手のひらサイズの宇宙人2人と同居する主人公とその女友だちが、毎回赤裸々な女子トークを繰り広げる、ある種のシチュエーション・コメディである本作で、彼女が演じる主人公「石橋園美」は、料理上手のフードコーディネーター。綺麗な顔立ちに似合わない毒舌ぶりを発揮する森や赤裸々な台詞を吐き続ける太田など、ともすれば下品になりがちな本作(というか、実際かなり際どい台詞が多々ある)ではあるものの、そこにある種の品の良さと落ち着きをもたらせているのは、間違いなく主演の新木優子の存在感あってこその話だろう。

 とりわけ、エピソード終わりに画面隅の丸窓に登場し、「みんな、いがみ合うんじゃなくて、愛し合えたらいいよね!」、「美味しいものは世界を救うって、こういうことだね!」、「やっぱり幸せなのがいちばんだよね!」など、まとめになっているようで、意外となっていないコメントを、視聴者に向けて笑顔で語りかける彼女の姿は、ある意味シュールで、何やらクセになる。それを心のオアシスとして、週半ばの楽しみにしている諸兄も多いと聞く。

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