『パトレイバー』新作が2016年にリブートされる意義ーーリアルな“近未来”をどう描くか

『機動警察パトレイバーREBOOT』が描く“近未来像”

 「89年に宮崎勤事件が起きてオタクバッシングが始まるのですが、そのせいもあって特にコミック版の『パトレイバー』ではオタクにとっての内省的な態度を含んだ作品になっています。とりわけ内海課長というキャラクターが当時のオタクの象徴みたいな形で、テクノロジーを好き勝手に使いつつ、倫理的に許されないような犯罪を犯す物語になっていた。ただ、そういうことを言う時代はすでに過去のものになっていて、いまや多くの人が気軽に自らをオタクといえるようになった。今回、大ヒット中の『シン・ゴジラ』の庵野秀明さんも名を連ねていますが、ああした作品も見るに彼らオタクの旧世代はいまこそ、当時のオタクの夢を描きなおそうとしているのかもしれません。『パトレイバー』についても、リブートによってさらに支持層を拡大するかどうかが注目だと思います」

 『機動警察パトレイバー REBOOT』が描く“近未来像”は、現実にもなにかしらの影響を与えるのかもしれない。

(文=松下博夫)

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■商品情報
『機動警察パトレイバーREBOOT(Blu-ray ※特装限定版)』
発売日:2016年10月26日
参考価格(税抜き):5,000円
品番:BCXA-1191
発売元・販売元:バンダイビジュアル

『機動警察パトレイバーREBOOT(DVD)』 
発売日:2016年10月26日
参考価格(税抜き):3,000円
品番:BCBA-4805
発売元・販売元:バンダイビジュアル

■公開情報
『劇場上映 ゴーゴー日本アニメ(ーター)見本市』にて先行公開
イベント上映・劇場先行版Blu-ray販売 2016年10月15日(土)同時スタート
2016年10月15日(土)~21(金)の1週間期間限定上映
<上映館>
新宿バルト9(東京)、梅田ブルク7(大阪)

■作品情報
監督・絵コンテ・演出・撮影監督・編集:吉浦康裕
脚本:伊藤和典、吉浦康裕
キャラクター原案:ゆうきまさみ
アニメーションキャラクターデザイン・作画監督:浅野直之
メカニカルデザイン:出渕裕
CGI作画監監督:松井祐亮
CGI監督:小林学
色彩設計・色指定・検査:中内照美
美術監督:金子雄司
音楽:川井憲次
音響監督:山田陽 (サウンドチーム・ドンファン)
企画・エグゼクティブプロデューサー:庵野秀明
アニメーション制作:スタジオカラー
公式サイト:https://www.patlabor-reboot.jp/
(C)HEADGEAR/バンダイビジュアル・カラー

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