安藤政信、映画俳優として再ブレイクの兆しーー40代、肉体を捧げる演技の色気

溢れ出る色気、安藤政信の魅力

 瀬戸内寂聴原作の映画『花芯』では、主人公の園子が恋をする夫の上司・越智を演じる。越智は一回り年上の未亡人・北林と関係を持っており、はたから見ればただのずるい男だ。しかし、園子がどうしようもなく惹かれるその理由を、その眼光、指先、佇まいで説得力あるものにしている。これまでの作品同様に肉体を捧げながら、その濃厚な色香が溢れんばかりにスクリーンに焼き付いている。

 作品性の高い映画への出演、数年の雌伏の期間、飽くなき役作りと、40代で再ブレイクした西島秀俊との共通項も多い。役者・安藤政信、その歩みはまだ始まってもいなかったのかもしれない。

(文=石井達也)

■公開情報
『花芯』
8月6日(土)テアトル新宿ほか全国公開
原作:『花芯』瀬戸内寂聴著(講談社文庫刊)
監督:安藤尋
脚本:黒沢久子
出演:村川絵梨、林遣都、安藤政信、毬谷友子
配給:クロックワークス
製作:東映ビデオ、クロックワークス
製作プロダクション:アルチンボルド
制作協力:ブロッコリ、ウィルコ
2016年/日本/95分/ビスタサイズ/DCP5.1ch/R15+
(c)2016「花芯」製作委員会
公式サイト:kashin-movie.com

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