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『ONE PIECE FILM GOLD』は現代版の任侠映画!? 尾田栄一郎がモチーフとした作品を探る

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 今や邦画界を支える長編アニメーションの最高峰にまで成長した『ONE PIECE』。スタジオ・ジブリが『思い出のマーニー』を最後にトーンダウンしてしまってから、日本の長編アニメーション映画の一角は『ONE PIECE』が支えているといっても過言ではない。

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 興行的には大成功を収めている、新進気鋭のジバニャンと、今や古株となったベテラン、ピカチュウがスクリーン上で奮闘しても、長編アニメーションとしてのストーリー性は、元々がゲームのキャラクターである彼らには表現しきれない壁がある。

 毎年、コンスタントに公開されている『名探偵コナン』や『クレヨンしんちゃん』、そして『ドラえもん』といった作品と違い、『ONE PIECE』の劇場版の製作ペースは不定期だ。今回の『ONE PIECE FILM GOLD』も、最終的に興行収入68.7億という大ヒットを記録した前作『ONE PIECE FILM Z』から3年半の月日が流れている。それだけ1作ごとのクオリティと脚本の完成度は高く、ファンからの作品に対する期待度のハードルも高い。

 原作コミックをベースにしたテレビシリーズに対して、劇場版はある種の番外編として作られている。そのため、原作を熟知していなくても楽しめる構成になっており、より幅広い観客層を得ることができる。熱狂的なファンと、何気なく劇場に足を運んだ観客をも魅了してしまう魔法が、『ONE PIECE』には秘められている。

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 国内で累計発行部数が3億4千万部を突破した、尾田栄一郎の原作コミックス“ONE PIECE”は、単一作家によるコミックスシリーズとしてギネスブックにも認定されるほどにまで成長し、もはや向かうところ敵なしの状態にまで成長した。

 大海賊時代、“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”を求めて繰り広げられる壮大な世界観と、海賊に憧れる少年ルフィの成長。そして“友情”“努力”“勝利”というジャンプの三大原則のテーマが見事に体現されたストーリー展開に、若い読者が感動させられるのは言うまでもない。

 また、主人公の周りに登場するサンジ、ナミ、ウソップ、そしてチョッパーといった仲間たちや、悪役キャラたちの個性豊かなキャラクター設定も魅力的だ。それぞれのキャラクターたちの生い立ちや、ルフィの仲間に加わるきっかけもその都度泣かせてくれる。

 原作者である尾田栄一郎が、映画ファンであることはよく知られている。特に任侠映画と西部劇という、今はあまり製作されなくなった、コアなジャンルの作品をこよなく愛していることが、実は『ONE PIECE』の世界観の重要な“鍵”である。

 “友情”“努力”“勝利”の三大原則を踏襲しつつ、その裏で脈々と貫いている『ONE PIECE』のテーマは“義理”と“人情”だ。そう、原作者が敬愛している任侠映画が描いている世界観そのものである。

 今回の『ONE PIECE FILM GOLD』でも、かつての東映任侠映画の登場人物を彷彿させる、二頭身のキャラクター、レイズ・マックス(その声をアテるのが北大路欣也というのも素晴らしい)や、ダイス、バカラといった、個性的なゲストを投入し、その“任侠映画感”を更に盛り上げる。かつて、大人たちを熱狂させた、東映の任侠映画の再現が、世代を超えて、日本人のDNAに沁みついている“義理”と“人情”を覚醒させるのではなかろうか。

      

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