明暗分けた『植物図鑑』と『MARS』から、ティーンムービーのヒットの法則を考える

ティーンムービー、ヒット作の傾向は?

 潔くベタな「泣き」をフィーチャーした『orange』や『植物図鑑』のような感動系の作品、あるいは昨年までの「壁ドン」、今年に入ってからの「ドS男子」といったようなその時期のトレンドに沿ったちょっとコメディタッチの少女マンガ原作作品。昨今ティーンムービーのジャンルがブームと言われるようになって久しいが、結局のところヒットしているのはそのどちらかだ。『MARS』のように傾向が明らかに異なる作品によって、ティーンムービーにおけるオルタナティブな流れが生まれるまでには、まだ時間がかかるのかもしれない。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮新書)発売中。Twitter

■公開情報
『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』
公開中
原作:有川浩「植物図鑑」(幻冬舎文庫)
監督:三木康一郎
脚本:渡辺千穂
主演:岩田剛典(EXILE/三代目J Soul Brothers)、高畑充希
配給:松竹株式会社
(c)2016「植物図鑑」製作委員会

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