興収では初登場1位! 『デッドプール』が日本で大ヒットを記録した意義

『デッドプール』が日本で大ヒットの意義

 先日も、今週末公開の『マネーモンスター』のプロモーションのために来日したジョディ・フォスターがテレビではNHKとローカル局のTOKYO MXにのみ出演し、地上波の民放キーステーションへの出演をスルーしていたことが話題となったが、これまでのタレント頼り、民放のワイドショー頼りの外国映画のプロモーションに変化の兆しがあることは素直に歓迎したい。

 民放各局にとっては、自局が製作した作品の宣伝を何よりも優先し、外国映画は二の次というのが常態化している昨今。全体的な視聴率の低下も止まらず、何よりもタレントを利用したプロモーションの露出先のワイドショーの視聴者層と、外国映画の観客層には大きなズレがある。国民的な関心を集めなくてはいけない年間興収トップ5を狙うような超大作映画は別として、ハリウッド大作も含む“通常”の外国映画においては、映画ファンを味方につけた、より草の根的なプロモーションの方が効果的であること。今回の『デッドプール』の日本での大ヒットは、それを証明したのではないだろうか。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮新書)発売中。Twitter

■公開情報
『デッドプール』
TOHOシネマズ 日劇ほか全国公開中
監督:ティム・ミラー
出演:ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクライン、T.J.ミラー、ジーナ・カラーノ
配給:20世紀フォックス映画
(c)2016 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/deadpool/

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