シリーズ最高のヒットに向けて『名探偵コナン』ロケットスタート 実は支持層は20代の大人?

大人向けアニメが興行に与える影響

 『名探偵コナン 純黒の悪夢』の脚本は、かつて『相棒』シリーズの脚本家の中でもエース級の活躍をしていて、現在も『科捜研の女』シリーズの脚本家の中で中心的な役割を果たしている櫻井武晴。特に刑事モノや法廷モノにおける専門的な描写に定評のある櫻井武晴が『名探偵コナン』の脚本を手掛けるのは、2013年の『名探偵コナン 絶海の探偵』以来これで3本目となる。映画的な興奮やスペクタクルは別にして、少なくとも物語の精度という点では、もともと完全に「大人向け」と言っていい作品なのである。人が「日本映画はアニメばかり」と言う時、そこには言外に「日本映画は子供向けの作品ばかり」というニュアンスが入り込むことが多い。しかし、そろそろその認識は改めた方がいいのかもしれない。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮新書)発売中。Twitter

■公開情報
『名探偵コナン純黒の悪夢』
公開中
原作:青山剛昌「名探偵コナン」
(C)2016 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

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