『ルーム』&『ボーダーライン』 中〜小規模公開のアカデミー賞関連映画がスマッシュヒット

アカデミー賞関連映画がスマッシュヒット
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 先週末は大規模公開の新作がなく、上位4作、『暗殺教室〜卒業編〜』、『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』、『ちはやふる -上の句-』のランキングは先々週末とまったく変わらず。『暗殺教室』は前作の興収27.7億円を抜いて30億超えを確実に、『ドラえもん』もシリーズ新記録となる40億目前と、春休みが終わって動員、興収ともに落ち着いてはきたものの、特に上位の2作品はそれぞれの目標値を超える結果を残すことになりそうだ。

 初登場の作品で最も上位につけたのは、全国75スクリーンで公開、動員3万8,127人、興収5,724万2,300円を記録して8位となった『ルーム』。アカデミー賞の受賞作品、及びノミネート作品が日本の興行に与える影響については以前に考察したが(参考:米アカデミー賞は本当に日本の映画興行に影響をもたらさなくなったのか?)、日本では無名(というか、本作が公開されるまでアメリカでもほとんど無名だったが)のブリー・ラーソンが主演女優賞を受賞した本作に関しては、アカデミー賞云々というよりも、母子監禁というハードなテーマを扱いながらもスリル、サスペンス、感動、涙といった娯楽映画の王道をすべてあわせもったそのストーリーが観客を引きつけているようだ。口コミで広がるタイプの作品であることや、女性客の比率が高いことなどから、ロングヒットとなる可能性も高いだろう。

 また、全国37スクリーンとさらに公開規模は小さいものの、今年のアカデミー賞で3部門にノミネートされていた『ボーダーライン』も土日2日間で興収2,169万3,400円を記録して14位につけている。こちらは30代以上の男性が中心のいわゆる「洋画ファン」からの高い支持が特徴的。一昨年に日本公開された2つの作品『プリズナーズ』『複製された男』によって、新進気鋭の監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ作品への信頼が生まれたかたちだ。ちなみに同監督は現在、『ブレードランナー』の36年ぶりの続編(主演は36年前と同じハリソン・フォード)の準備に取り掛かっている。

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