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宇野維正の興行ランキング一刀両断!

『ちはやふる』、7位から4位に奇跡の上昇! 映画興行における口コミ効果を改めて考える

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 先週末、2週連続1位を獲得したのは『映画 暗殺教室 -卒業編-』。土日2日間の動員は33万5418人、興収は3億9347万1200円。公開初週との興収比も動員比も約62%と、下落率が高いのが少々気にはなるが、累計動員は早くも200万人を突破、累計動員も20億円を突破と好調を維持している。

 今週注目したいのは先々週末の7位から、公開3週目にして公開初週と同位の4位にまでジャンプアップした『ちはやふる -上の句-』の動きだ。作品の評判が良くて、それが口コミで広がって、公開から数週間経って興収や動員のランクが再浮上するというのは、映画興行において時おり見られる理想的な展開であるが、それが実写の日本映画、しかも300館規模の全国拡大公開作品でとなると、極めて稀な現象だと言ってだろう(ちなみに、同日公開で初週2位と『ちはやふる』をリードしていた『僕だけがいない街』は先週末7位だ)。というのも、シネコンでの上映が映画興行の中心となって以来、公開初週の動員が基準となって、その翌週から、上映回数やシネコン内におけるスクリーンのヒエラルキーにすぐに細かい調整が入るようになったからだ。つまり、初週にあまり観客が入らなかった作品は、当面ロードショーは続けられるものの、微妙に上映回数が減ったり、上映館のキャパが小さくなったりしていくのだ(だから、もし応援したい作品があったら、なるべく初週、それもできれば初週の週末に駆けつけてくださいね)。だからこそ、全国のシネコンでの上映が中心の『ちはやふる –上の句-』の今回のチャートアクションは快挙と言える。

 批評家や批評サイトが強い影響力を持っているアメリカと比べて、日本では作品に対する評価の高さが、そのまま興行の結果に結びつきにくいと言われている。しかし、たとえば昨年だけでも、公開直前からネットを中心に大きな話題となった『セッション』や、日本公開が遅れたことで公開前の盛り上がりはいまいちだった『キングスマン』のように、公開してしばらく経って、SNSや口コミでの評判によって動員や興収が伸びた例は少なからずある。そして、その口コミの発火点の一つとなったのは、やはり批評家のブログだったり、影響力のあるラジオ番組における批評だったり、批評サイトであったりしてきた。今回の『ちはやふる –上の句-』現象にも、少なからずそれらの影響はあったに違いない。(参考:マンガ原作映画の新たな金字塔! 『ちはやふる』はどうしてこんなに「最高!」なのか?

      

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