『オデッセイ』圧倒的強さでV2!  『信長協奏曲』30億突破! 滑り出し好調の2016年興行模様

滑り出し好調の2016年興行模様

 さらに、現在のところ日本公開は6月予定とアナウンスされているマーベルのR指定(本国)ヒーロー作品『デッドプール』にも要注目。先週末アメリカで公開された本作は、初日から3日間で興行収入1億3500万ドル(約153億円)という超特大ヒットを記録。これは米フォックス社が事前に推定していた興収の2倍以上の数字で、単独ヒーロー作品の第1作としては史上最高、新人監督のデビュー作としても史上最高と、様々な記録を塗り替えてしまった。フォックスのマーベル映画というと、昨年の『ファンタスティック・フォー』の世界的大惨敗が記憶に新しいが、少なくとも日本以外では、その損失を『デッドプール』がリクープしたどころの騒ぎではない状況となっている。

 世界同時公開が当たり前となっているこのご時勢にあって、日本だけ本国から公開を4ヶ月も遅らせることで大ヒットとなった『オデッセイ』。それと同様に、オスカー発表から2ヶ月後の公開となる『レヴェナント』、本国(というかほぼ全世界)での順番とは逆にワーナー『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』やディズニー『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』よりも公開が後回しとなった『デッドプール』。もしその2作も日本で大ヒットしたら、今年の洋画界は「20世紀フォックスの年」となるかもしれない。まぁ、できるだけ海外とタイムラグなしで作品を楽しみたい映画ファンからすると、もしそれでヒット連発となったら、痛し痒しといったところではあるが……。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)。Twitter

■公開情報
『オデッセイ』
公開中
配給:20世紀フォックス映画
(c)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/odyssey/

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