驚異の前週比384%! 『ガルパン』にみる「愛される映画」と「愛されない映画」の違い

「愛される映画」の条件

『ガルパン』の大ヒットは、作品が映画館にただ割り振られるだけでなく、映画館(の設備)が作品のヒットを決定づける時代の到来を印象づけるものだ。実際に、昨年からロングランを成功させている多くの作品が、4DXや特別な音響を謳った劇場に「愛された」作品である。そして、それはハリウッド映画の復権やアニメ作品の隆盛が続いている一方で、実写日本映画が停滞している(決定的な要因ではないものの)見過ごせない背景にもなっているのではないか。今年前半には『テラフォーマーズ』、『シン・ゴジラ』といった日本映画のアクション大作の公開が控えている。初動の数字はもちろんだが、ロングヒットになるかどうかを占う上で、それらの作品がどれだけそのような特殊な設備を持つ映画館で「愛される」ことになるのかにも注目していきたい。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮新書)発売中。Twitter

■公開情報
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
4DXにて公開中
監督:水島努
脚本:吉田玲子
製作:「ガールズ&パンツァー劇場版」製作委員会
配給:ショウゲート
(c)GIRLS und PANZER Film Projekt
公式サイト:http://girls-und-panzer.jp/

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