驚異の前週比384%! 『ガルパン』にみる「愛される映画」と「愛されない映画」の違い

「愛される映画」の条件
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 前回予想した通り、『オデッセイ』が3週連続1位。先週末の土日2日間で動員19万575人、興収2億8487万7800円。累計動員150万人、累計興収20億を突破した。計7部門でノミネートされている今年のアカデミー賞が発表されるのは今週末(日本時間では月曜日午前中)。強敵揃いの作品賞や主演男優賞といった主要賞を受賞するのはさすがに難しいと思うが、もしそこで弾みがつけば、さらなる伸びも期待できるだろう。

 『X-ミッション』、『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』といった新作の数字が伸び悩む中(105スクリーン公開と中規模公開の『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』に関しては仕方がないが)、公開5週目の『信長協奏曲』がしぶとく2位をキープ。土日2日間で動員15万6083人、興収2億104万8200円。先週末の時点で累計興収が36億8,610万8,200円と、40億突破を確実なものとした。

 4DX上映がスタートしたことで前週動員比384%という見たことがない驚異的な数字を叩き出したのが、公開14週目にしてまたしてもトップ10圏内に復活した『ガールズ&パンツァー 劇場版』だ。「映画のアトラクション化」「リピーターの増加」という近年の映画興行界におけるトレンドについては本コラムでも再三取り上げてきたが、『ガルパン』×4DXという最強の相性を持つ組み合わせが、それを凝縮したかたちで証明してみせた。導入当初は新作のハリウッドの大作に依存せざるを得ないと思われていた4DX(とMX4D)上映だが、リピーターが発生する一部のハリウッド大作のロングラン上映の受け皿という鉱脈に続いて、一部のアクションに特化したアニメ作品の上映という新たな鉱脈を見つけたことで、全国の劇場で進んでいる設備の新設にさらなる加速がかかることが予想される。

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