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あの偉人たちはカンフーの達人だった!? Netflixドラマ『マルコ・ポーロ』に見る伝奇モノの神髄

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藤本 洋輔
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 昨年9月から日本でのサービスを開始したNetflixは、定額で様々なコンテンツを楽しめるのが魅力だ。なかでもオリジナルドラマにはアメコミ原作、SFドラマ、ホラーコメディ、実録モノなどあらゆるジャンルが揃っており、その多彩さに定評がある。そんな中でもひときわ異彩を放っているのが、今回紹介するドラマ『マルコ・ポーロ』である。

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(C) Netflix. All Rights Reserved.

 同作は、歴史的偉人マルコ・ポーロが口述した旅行記「東方見聞録」をもとにしたドラマ。「東方見聞録」といえば、日本を「黄金の国ジパング」と紹介した書籍として誰もが一度は耳にしたことがあるはず。同書によれば、マルコは父親とともに故郷イタリアからアジアに向かい、24年間にわたって様々なものを見聞したという。こう聞くと、『マルコ・ポーロ』を大河ドラマやロードムービーと思う方も多いはず。しかし、筆者がジャンルわけするならば、同作は〝伝奇アクション″だ。

伝奇の定義はさまざまだが、ここでは「史実をもとにした奇想天外で幻想的な物語」としよう。最近の作品では、アメリカ合衆国初代大統領が手斧を片手にバンパイアを狩る『リンカーン/秘密の書』や、明治維新後の剣客たちの闘いを描いた『るろうに剣心』も同じジャンルにあたる。

 前置きが長くなったが、『マルコ・ポーロ』はマルコが父親に連れられモンゴル帝国の首都カラコルムに至るところから始まる。ここで、マルコは父親のシルクロードでの交易権と引き換えに、かのフビライ・ハーンの人質にされてしまうのである。しかし、多言語を操り頭脳明晰で機知に富むマルコはフビライに気に入られ、部下として重用されることに。当時のモンゴル帝国は中国・宋への侵攻の真っただ中。かくしてマルコは、フビライ一族の骨肉の争いや、文官たちの権力闘争、そして戦争の最前線に身を置くことになる。

実は『マルコ・ポーロ』はほぼ「東方見聞録」の記述と同じ、いわば史実どおりの展開を辿る。マルコはフビライに気に入られて政務官として仕えたとされているし、血族同士の争いや、モンゴル帝国が宋と衝突するのも史実どおりだ。では、何が奇想天外なのだろうか。

 カンフー修行、欲望の館、カルト教団、伝奇モノの王道をいくトンデモ設定の数々。まず本作の特徴として挙げたいのが、アクションシーンの多さ。マルコは戦いを生き抜くため、「百の眼」の異名を持つ盲目の中国僧からカンフー、刀や槍、弓矢の扱いなどあらゆる武術を学び、徐々に達人に近づいていくのである。この設定だけでも驚きだが、さらに百の眼自身もマルコと行動をともにし、あらゆる場面で華麗なカンフーを披露する。その動きは最低限のワイヤーワークと生身の中国拳法を上手くミックスした、ハリウッドの最新スタイルだ。

 さらに驚かされるのは、宋の宰相・賈似道(か じどう)も蟷螂拳(とうろうけん)の達人で、百の眼に劣らぬ実力の持ち主という設定。シーズン1の後半には〝宇宙最強のカンフースター″ドニー・イェンと渡りあう実力の香港俳優コリン・チョウも重要な役で参戦する。なんとも、西洋人の「アジア=カンフー」という極端な考えを体現する奇天烈な設定ではないか。


     
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